DeNAへの転職完全ガイド(ビジネス職編):コンサル出身者が語る成功の秘訣

このガイドでは、私自身の体験も交えながら、DeNAへの転職を成功させるためのポイントを徹底解説します。
企業研究から選考対策、働き方や将来のキャリアパスまで網羅した「完全ガイド」になっていますので、DeNAに興味がある方はぜひ参考にしてくださいね!


DeNAの企業概要

DeNA(ディー・エヌ・エー)は、1999年創業の日本を代表するIT企業です。
本社は東京・渋谷のWeWork渋谷スクランブルスクエア内にあり、社員数はグループ全体で約2,900名(2024年現在)と「メガベンチャー」と呼ばれる規模です。
元コンサルタントだった南場智子(なんば ともこ)氏が創業者で、現在も代表取締役会長を務めています。主力事業はモバイルゲームを中心としたインターネットサービスですが、近年はスポーツ事業やヘルスケア事業などにも積極的に展開しています。

  • 歴史: 創業当初はオークションサイト「ビッダーズ」からスタートし、その後2000年代半ばに携帯電話向けSNS「モバゲー(Mobage)」をリリースして大ヒット。2010年前後にはソーシャルゲーム黎明期を牽引し、上場企業として急成長しました。
  • 2012年にはプロ野球球団「横浜ベイスターズ」を買収して話題となり、以降「横浜DeNAベイスターズ」として球団運営も行っています。また2015年には任天堂と資本業務提携を結び、スマホゲーム分野で協業開始。2023年には任天堂と合弁で新会社「Nintendo Systems」を設立し、デジタル領域の基盤強化を進めています。
  • 組織体制: DeNAは幅広い事業ポートフォリオを持つため、事業領域ごとに部門が存在します。例えば「ゲーム事業本部」「スポーツ事業本部」「ヘルスケア事業本部」などです。各部門ごとにプロデューサーや事業責任者が配置され、かなり自律的に事業運営がなされています。また全社横断の組織もあり、現在は全事業共通の「マーケティング部」や「デザイン部」が設置されています(※私が入社した頃、ゲーム特化のデザイン部が独立していた時期もあり、戦略に応じて組織を柔軟に変更しています)。
  • 業界内プレゼンス: DeNAは日本のIT・エンタメ業界で高い存在感を放っています。特にモバイルゲーム分野ではトップクラスの実績を誇り、競合にはグリーやミクシィ、バンダイナムコなどが挙げられます。またプロ野球球団を所有するなど異業種にも展開しているユニークさから、業界内でも注目される存在です。私自身、コンサル時代に様々な企業分析をしていましたが、DeNAほど多角的な事業展開をしているIT企業は珍しく、非常に興味を惹かれたのを覚えています。
  • 拠点: メインのオフィスは東京(渋谷)ですが、プロ野球関連の拠点が横浜にあります。また、一部事業や子会社は大阪や京都など他都市に所在するケースもあります。海外展開としては、かつて米国やアジアにゲームスタジオを持っていた実績があり、中国(上海)には現在も拠点があるようです。ただし基本的には日本国内中心の事業運営です。
  • 著名なOB・OG: DeNAは起業家を多く輩出していることでも有名です。例えば、ライブ配信サービス「SHOWROOM」の前田裕二さん、ゲーム会社Akatsukiの塩田元規さん、スマホゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ」の赤川隼一さん、農業×ITのスタートアップ「ビビッドガーデン(食べチョク)」の秋元里奈さん、完全栄養食ベンチャー「BASE FOOD」の橋本舜さん…など数えきれないほど!こうしたOB・OGは各業界で活躍しており、DeNA在籍中に培ったビジネススキルやネットサービスの知見を存分に活かしています。「人材のDeNA」と言われるほど優秀な人が集まり、その後も各所で活躍しているのは、就職・転職先として大きな魅力に映りますよね。

DeNAの特徴や強み

続いて、DeNAという会社の中身について、特徴や強みを見てみましょう。
私がコンサルから転職してまず感じたのは、良い意味で「典型的な日本企業らしくない」という点でした。その理由も踏まえて解説します。

  • ビジネスモデルの多角化: DeNA最大の特徴は、一社で複数の事業ドメインを展開していることです。ゲームで成長した企業ですが、それだけに留まらずスポーツ、ライブ配信、ヘルスケア、自動車関連、新規事業開発など領域を次々と広げています。これにより、一つの事業に依存せず収益の柱を複数持つ強さがあります。例えばゲーム事業で培ったIT技術やプラットフォーム運営ノウハウを、ヘルスケアサービスやスポーツファン向けアプリに応用するといったシナジーも生んでいます。ビジネスモデルが多角的なので、「社内ベンチャーが沢山ある企業」と表現してもよいかもしれません。実際、私が入社して驚いたのは社内で全く違う業界のプロジェクトが並行して走っていることでした。一つの会社にいながら幅広い業界知識が身につく点はDeNAのユニークな強みですね。
  • 人材育成とカルチャー: DeNAは人を中心に据えたカルチャーを持っています。創業者の南場さんは「事業の周りに人材を集めるのではなく、人材の周りに事業ができる」と述べており、まさに優秀な人が新たな事業を生み出すという考え方です。そのため採用には非常に力を入れており、採用=会社の生命線という意識が全社に共有されています。入社後も若手に大きな裁量が与えられる風土で、新人でも良いアイデアがあれば企画を提案して実現できるチャンスがあります。私も中途で入った当初から、「ここまで任せてくれるのか!」と驚くほど責任範囲の広いプロジェクトを担当させてもらえました。失敗しても挑戦を称賛する文化が根付いているので、社員はみな積極的に新しいことに挑めます。
  • 社風: 一言で言えば「挑戦と変化を楽しむ社風」です。めまぐるしく事業環境が変化するIT業界で、DeNAは常に自ら変化を起こしてきました。新規サービスを次々と立ち上げたり、ときには不採算事業からすばやく撤退したりと、経営判断もスピーディーです。社内はフラットで風通しがよく、年齢や肩書きに関係なく議論できる雰囲気があります。役職ではなく論理と情熱で勝負する会社なので、若手でも役員にズバズバ意見を言えますし、逆に偉い人ほどフランクだったりします。私の上司(部長)も元コンサルの方ですが、ファーストネームで呼び合うような距離感です。これは前職のピラミッド型の文化と大きく違い、最初は戸惑いましたが今は心地よいですね。また「ユーザーにDelightを届けよう」というミッションが共有されており、ユーザー目線で面白いものを作るぞ!という熱量が部署を超えて感じられます。
  • 技術力とイノベーション: エンジニアリングや技術投資にも積極的です。特に近年はAI(人工知能)技術の活用に力を入れており、ディープラーニングの専門人材を積極採用しています。最先端の技術を取り入れてサービスの付加価値を高める姿勢は社内随所に見られ、例えばライブ配信事業ではAIを用いた配信内容の分析、新規事業開発ではビッグデータ解析などを駆使しています。また社内にはハッカソンや技術勉強会も頻繁にあり、エンジニアとビジネス職が協力してイノベーションを起こす土壌があります。私はテクノロジー背景は専門ではありませんでしたが、データ分析の勉強会に参加したりして視野が広がりました。技術へのリスペクトがある会社なので、ビジネス職もエンジニアの知見を学びつつプロダクトを磨けるのが魅力です。

以上のように、DeNAの強みは「人材×多角事業×ベンチャーマインド」と言えるでしょう。
安定よりも成長を選び、常に新しい価値を生み出そうとする企業風土は、チャレンジ精神旺盛なビジネスパーソンにとって非常に刺激的だと思います。

DeNAの成長戦略(ポジショニングと注力領域)

次に、DeNAが描く今後の成長戦略について押さえておきましょう。
企業研究として「この会社はどこに向かっているのか」を理解することは、志望動機を語る上でも重要です。

ポジショニング: DeNAは自社を「インターネットサービスで世界に驚きを届ける会社」と位置付けています。ゲームで培ったプラットフォームビジネスの強みを核にしつつ、エンターテインメント×テクノロジーで社会課題を解決することも戦略の柱です。
つまり「楽しいだけでなく社会に役立つ事業」へのシフトです。
実際、近年注力しているヘルスケアやオートモーティブ(自動車領域)は、日本が直面する高齢化や移動問題といった社会課題へのソリューション提供を目指しています。
エンタメで大成功したDeNAだからこそ、次は社会的インパクトある事業で持続的成長を図ろうというわけですね。

注力領域: 現在DeNAが「次の成長エンジン」として特に力を入れている領域はいくつかあります。

  • ゲーム事業の深化: 依然として収益の柱であるゲームは、引き続き強化されています。
  • 国内向け既存ゲームの運営は安定収入源として磨きをかけつつ、任天堂との提携による大型IPゲーム(例:『ポケモンマスターズEX』『マリオカート ツアー』など)の開発・運営も継続中です。またグローバル展開にも意欲を見せており、自社開発タイトルの海外配信や、海外スタジオとの協業も検討されています。「ゲームで世界のトップランナーであり続ける」ことがまず重要な戦略です。
  • ライブストリーミング&エンタメ新領域: スマホ世代の台頭に合わせ、ライブ配信事業を第二の柱に育成中です。自社サービス「Pococha(ポコチャ)」は国内有数のライブ配信プラットフォームに成長しており、そのグローバル版も展開されています。またアバターライブ配信の「IRIAM(イリアム)」などVTuber的な新潮流にも参入しています。この領域はユーザーコミュニティや課金収益の拡大余地が大きく、ゲームに次ぐエンタメ事業の柱として注力されています。私も社内でPocochaのイベント企画チームと関わりましたが、まさに第二のMobageを目指す熱気を感じました!
  • スポーツ事業の拡大: プロ野球運営で培ったスポーツビジネスノウハウを軸に、スポーツ×ITの新サービス開発にも力を入れています。具体的には、観客の観戦体験を高めるスマホアプリ、ファンクラブのデジタル化、スポーツデータ分析サービスなどです。横浜DeNAベイスターズ自体もリーグ優勝を目指し戦力強化していますが、それと並行して「スポーツで街づくり」のような地域活性プロジェクトも行っています。DeNAはスポーツ事業を単なる球団運営に留めず、将来的にはスポーツエンタメ全般のトッププレイヤーになる構想を描いているようです。
  • ヘルスケア・メディカル: 将来の社会を見据え、ヘルスケア事業を重点投資領域としています。具体的には、健康管理プラットフォーム「KenCoM(ケンコム)」を保険組合や企業向けに提供し、利用者データを活用したサービスを展開。また遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」を通じて個人向けヘルスケア市場にもアプローチしています。医療スタートアップのM&Aや出資も積極的で、専門人材の登用など体制強化も進めています。この領域は短期的な利益より中長期的な事業基盤づくりという位置づけで、社会課題解決型ビジネスとして成長させる方針です。
  • オートモーティブ(Mobility): 一時期から注目していた自動運転やカーシェア等のモビリティ事業も、戦略的に取り組んでいます。自社サービスとして始めた個人間カーシェア「Anyca(エニカ)」は提携により展開中ですし、日産自動車と共同実証した無人タクシー「Easy Ride(イージーライド)」プロジェクトも継続中です。また交通分野の関連企業とのアライアンスを組み、MaaS(Mobility as a Service)領域で先手を打とうとしています。ただ、自動運転ビジネスは法規制や技術ハードルもあり、現時点では実験段階のものが多いです。DeNAはこの分野を将来の大きな成長オプションと捉え、引き続きアンテナを高く張っている状態です。
  • AI・新規事業開発: 上記既存領域以外にも、AI技術を横断活用した新規プロダクト開発、さらには全く新しいマーケット創出にも挑戦しています。社内に新規事業創出プログラムがあり、社員が自ら事業プランを提案して会社から資金・リソース提供を受ける仕組みも存在します(いわゆる社内起業制度です)。ここから生まれた事業が後に分社化・スピンオフして成功するケースもあるため、常に次の柱を探していると言えます。私自身、入社後しばらくして新規事業コンテストに参加しましたが、部署を超えたメンバーでチームを組み、ゼロからサービス企画を練り上げる体験ができました。「第二のDeNAを社内から作る」くらいの気概があり、成長への貪欲さを強く感じます。

志望者の方は、自分が興味あるサービスについて最新情報をチェックしておくと良いでしょう。
「あなたが関心のあるDeNAの事業は?」と面接で聞かれた際に、具体的なサービス名と理由を挙げられると好印象です。
DeNAは公式ブログやIR資料でも各事業の動向を発信しているので、日頃からウォッチしておくのがおすすめです。

DeNAで働く魅力(スキル、キャリア形成、働きがい)

ここからは「働く側の視点」にフォーカスします。
私自身、コンサルからDeNAに転職して感じている「DeNAで働く魅力」をいくつか紹介します。
転職を検討する上で重要なポイントですよね。

  • 多様なスキルが身につく環境: DeNAでは一つの専門に閉じず幅広いビジネススキルを磨けると感じます。事業が多岐にわたるぶん、異動やプロジェクト横断も活発で、希望すれば他部門へのチャレンジも可能です。私も最初ゲーム事業のマーケティング担当でしたが、手を挙げて新規サービス企画チームにジョインし、市場調査やプロダクト戦略立案の経験を積めました。社内にノウハウ共有カルチャーがあるため、エンジニアやデザイナーと一緒に働く中で技術知識やUX発想も学べます。コンサル時代は分析スキルは磨けてもプロダクト開発の経験はなかったので、この実践的なスキル習得機会は非常に価値がありました。DeNAで身につくスキルセットは、企画力・データ分析・マーケ・チームマネジメントなど本当に多彩です。
  • キャリアパスの柔軟性: DeNAは自律的なキャリア形成を尊重してくれる会社です。年功ではなく実力と意欲でどんどんチャンスが回ってきます。若手でプロジェクトリーダーになる人もいますし、中途で入った人が短期間で部長職に昇進する例もあります。また、自分のキャリア志向に合わせて専門職スペシャリストの道を歩むことも、事業リーダーとしてマネジメントに邁進することも可能です。評価面談では将来やりたいことを上司とじっくり話せますし、社内公募制度で興味あるポジションに手を挙げることもできます。私の場合、「新規事業を立ち上げたい」という希望を公言していたところ、上司が関連部署の方を紹介してくれて実際に異動できました。一人ひとりのキャリアの「軸」を尊重してもらえるので、長期的に見ても安心感があります。
  • 働きがい・達成感: なんといっても自分の仕事が大きなインパクトを生む点が働きがいに直結しています。DeNAのサービスはユーザー数が非常に多く、社会的注目度も高いです。新しい施策をリリースすれば数百万のユーザー反応がダイレクトに返ってきますし、成功すればニュースで取り上げられることもあります。私もあるイベント施策がSNSでバズり、ユーザーから「楽しかった!」という声が多数寄せられたときは本当に嬉しかったです。「世の中を動かしている」実感が得られるのは、メガベンチャーならではの醍醐味でしょう。また社内には優秀で個性的な仲間が多く、切磋琢磨しながら目標達成するプロセス自体がエキサイティングです。コンサル時代はクライアント支援がメインでしたが、今は自社サービスを自分の手で育てる喜びを味わっています。
  • ベンチャー精神と安定基盤の両立: DeNAは創業から20年以上経っていますが、良い意味でスタートアップのようなチャレンジ精神を維持しています。一方で上場企業としての経営基盤や福利厚生の整備もあり、ベンチャーの勢い大企業の安心感を両方享受できます。会社の財務体質は健全で、近年は連結売上が毎年伸びており利益もしっかり確保。ボーナスもしっかり出ますし、社員への還元(例えば社員持株会やストックオプション制度など)もあります。「安定だけの大企業では物足りない、でも零細ベンチャーは不安…」という方にDeNAはピッタリです。実際、私も「社内起業のようなことができて、かつ生活も安定する」という点に魅力を感じて転職を決めました。
  • 社会へのインパクト: 先述の通り、DeNAは娯楽だけでなく社会課題解決ビジネスに注力し始めています。ヘルスケア事業では人々の健康寿命延伸に貢献し、オートモーティブ事業では交通インフラの進化を支援する。自分の仕事が世の中の役に立つという意義を感じられる場面も増えてきました。特にヘルスケア系プロジェクトでは自治体や病院との連携なども経験でき、「社会を良くする仕事」に直接携われるのは誇りです。ユーザーの笑顔だけでなく、社会的価値創出にもコミットできるのは働きがいにつながります。

以上が主な「DeNAで働く魅力」だと感じています。
まとめると、成長機会に溢れ、自由度が高く、仕事のインパクトも大きいのがDeNAという職場です。私自身、転職してキャリアの幅が大きく広がりましたし、「この選択は正解だった」と日々実感しています。

職位体系と昇進・給与レンジ

次に、DeNAの職位体系(ポジションの種類や序列)と昇進、給与レンジについて解説します。
転職する以上、ポジションや報酬のイメージは把握しておきたいですよね。

職位体系: DeNAでは明確な役職の階級よりも「等級(グレード)制」を採用しています。
社員一人ひとりにスキルや成果に応じたグレードが設定され、そのグレードに応じた期待役割と給与レンジがあります。
一般的な日本企業にある「主任→課長→部長」といった呼称はそこまで前面には出ず、実質的には以下のような役割イメージです。

  • メンバークラス(スタッフ): 新卒〜若手中堅社員相当。チームメンバーとして自身の担当領域の業務を遂行します。例えば事業企画部のメンバー、マーケティング担当など。それぞれ専門分野で成果を上げることが期待されます。
  • リーダークラス(マネージャー相当): プロジェクトリーダーやチームリーダーとして、数名〜十数名規模の組織をまとめます。中途入社の場合、このクラスからスタートするケースも多いです。具体例:○○グループリーダー、プロダクトマネージャーなど。戦略策定やメンバー育成も役割に含まれ、より経営視点が求められます。
  • シニアマネージャー/部長クラス: 大きな事業単位や部門を統括するポジションです。事業本部の部長やプロダクト統括責任者などが該当。事業全体のPL責任を持ち、経営層と共に会社方針を遂行します。社内でもこのクラスになると意思決定権も大きく、まさに事業リーダーとして振る舞うことになります。
  • 執行役員/経営陣: 執行役員や取締役など経営層ポジションです。ここまで来ると完全に経営視点で複数事業を管掌したり、会社全体の戦略を動かす立場ですね。中途でここに直接入るのは極めて稀ですが、実績次第では数年後に執行役員昇格という道もあります。

DeNAの場合、昇進のスピードは速い傾向です。
若手でも結果を出せばどんどん上の役割にチャレンジさせてもらえます。
評価は年2回の人事考課で行われ、上司との面談や360度フィードバックも活用しながら公平に決定されます。
私の周囲でも30歳前後で部長級になっている方もおり、実力主義だと感じます。

給与レンジ: 気になるお給料ですが、DeNAは業界内でも比較的高水準です。
2024年3月期の有価証券報告書によれば、平均年収は約854万円となっています(平均年齢37.6歳)。
職位別のざっくりイメージは以下のとおりです(※実際の金額は個人の経験や評価によりますが目安として)。

  • メンバークラス:年収500〜800万円程度(新卒初年度は500万円弱からスタートし、20代後半で600〜700万に届く人が多い印象です)。
  • リーダークラス:年収800〜1000万円程度(30代前半でこのレンジに入るケースが多く、成果次第では早期に1000万超えも可能です)。
  • 部長クラス:年収1200〜1500万円程度(事業責任者クラスになるとこの帯に。インセンティブ込みでもっと上振れすることもあります)。
  • 経営陣:年収1500万〜(執行役員以上は個別交渉になりますが、ストックオプション等も含め高収入が期待できます)。

またDeNAでは業績連動型のボーナスがあり、会社と個人の業績に応じて年2回支給されます。
特に業績が好調な事業に所属していると評価に反映されやすく、若手でも思わぬ高額賞与を得ることがあります(私も前年大きなヒットを出した際、ボーナスが通常の倍近く出て驚きました!)。
基本給+ボーナスに加え、住宅補助や各種手当も整っています。

昇進のポイント: 昇格するには単に成果を出すだけでなく、次の等級に求められる能力を発揮できているかが重視されます。
DeNAでは各等級ごとに期待されるコンピテンシー(スキル・行動特性)が定義されており、例えば「チームへの影響力」「事業視点」「イノベーション創出力」などランクが上がるほど求められる領域が広がります。
評価面談では上司から「次はここを伸ばそう」と具体的なフィードバックがもらえるので、自身の成長課題が明確になります。
自己成長意欲が高い人ほど早く昇進できる傾向があり、逆に受け身だと伸び悩むかもしれません。

給与交渉や待遇: 中途入社の場合、前職の給与水準やスキルセットを考慮してオファーされます。他のIT企業と比べても遜色ない条件が提示されることが多いですが、もし希望があれば内定後の交渉も可能です。DeNAは中途比率が高く(毎年70%以上が中途採用)、実力ある人材には柔軟に報酬を提示する文化ですので、エージェント等を通じて希望を伝えると良いでしょう。

求める人物像と適性(どんな人が向いているか)

では、DeNAがどんな人材を求めているのか、「求める人物像」を探ってみましょう。公式のメッセージや選考を通じて感じるDeNA向きの人の特徴をまとめます。

  • 挑戦を怖れない人: DeNAの合言葉は「挑戦し、変化し続ける」です。常に新しいアイデアにチャレンジし、たとえ失敗しても糧にできる前向きさを持った人が歓迎されます。現状に満足せず、もっと面白いこと、もっと良い方法を模索できるマインドが重要です。実際、選考でも「これまで一番チャレンジしたことは?」「逆境をどう乗り越えたか?」など挑戦経験を深掘りされました。安定志向で変化を嫌う人には合わない環境なので、むしろ「変化があるから燃える!」くらいの方が向いています。
  • 継続的に学び成長できる人: DeNAはIT企業ですから、技術やトレンドの移り変わりが激しいです。新しい知識やスキルの習得を怠らない勉強熱心な人が活躍します。例えば最新のマーケティング手法を独学でキャッチアップしたり、データ分析の資格を取ったりと、自ら成長し続ける意欲を示せると良いです。コンサル出身の私はビジネススキルは自信ありましたが、IT知識は不足していたので、入社前にプログラミングの基礎を学んだりしました。「常にアップデートする姿勢」がある人はDeNAでもどんどん伸びます。
  • ユニークな発想ができる人: DeNAはイノベーティブな発想を大事にします。前例踏襲よりも新機軸を歓迎する文化なので、突飛でも「面白そう!」と思えるアイデアを持つ人材に惹かれます。ゲーム然り、新規事業然り、「他にはない価値をどう生み出すか」を考え抜けるクリエイティビティが求められます。選考でも「最近自分で考えた新規ビジネスアイデアありますか?」なんて質問もありました。ユーモアや遊び心も評価される土壌ですので、発想力豊かで自分なりの視点を持っている人はフィットします。
  • リーダーシップとオーナーシップ: DeNAは若手にもリーダーシップを期待します。役割や年次に関係なく自分事として物事を動かせる人が強いです。チームで何か成し遂げた経験や、人を巻き込んだプロジェクト推進経験があると良いですね。また「ユーザーへのデライト創出にワクワクできる人」「自ら課題を発見し解決までやり抜ける人」といった資質も重視されています。要は受け身ではなく自走できるタイプです。コンサルでは与件に基づき動くことも多かったですが、DeNAでは自らミッションを定義して走る力が求められると痛感しました。
  • DeNAのミッション・事業への共感: これは前提ですが、DeNAのビジョンや事業内容に共感していることが大切です。ただ単に待遇が良いから、という理由ではなく、「このサービスをもっと成長させたい」「このカルチャーで働きたい」と思える人かどうか。選考でも「なぜDeNAなのか?」は間違いなく聞かれます。多角事業のどれでもよいので、自分なりに惹かれるポイントを語れる準備をしましょう。私の場合は「メガベンチャーで新規事業に挑戦できる環境」に惹かれたので、その熱意を伝えました。心からDeNAで成し遂げたいことがある人は情熱が伝わり、面接官の心にも刺さるはずです。

以上をまとめると、「挑戦心旺盛で勉強熱心、発想力があり、自ら動けて、DeNA愛がある人」が求められる人物像と言えそうです。少し盛り沢山ですが💦、逆に言えば多才でバイタリティある人なら活躍の場がたくさんある会社です。
私も入社後、「こんなに自由にやっていいんだ!」と最初驚きましたが、それは会社が私に期待し信頼してくれている裏返しでした。
ぜひ皆さんもご自身の強みがDeNAの求める人物像にマッチする点を探してみてくださいね。

選考プロセス(ステップ、期間、難易度、面接内容、攻略法、エージェント活用)

次に、多くの方が気になる選考プロセスについて詳しくご説明します。DeNAの中途採用(ビジネス職)の一般的な流れ、難易度や対策、そしてエージェントの活用法までカバーします。

選考フロー概要: DeNA中途採用のプロセスはおおむね以下のステップになります。

  1. 応募(書類提出) – まずはWeb経由でエントリーします。社内リファラル(社員紹介)やヘッドハンター経由、転職サイトのスカウト経由で応募するケースもあります。
  2. 応募時には職務経歴書と志望動機などを提出します。
  3. 書類選考&適性検査 – 採用担当者および現場マネージャーによる書類審査が行われます。書類通過者にはWebテスト(SPIなど一般的な適性検査や性格検査)の案内がある場合があります。ビジネス職では必須ではないこともありますが、応募者多数の場合は足切りとして実施されます。
  4. 一次面接(現場面接) – 人事担当者+配属予定先の現場マネージャーとの面接が行われます。所要時間は1時間程度で、職務経歴の深掘りやスキルチェック、志望動機など基本的な内容です。私の時は現場のリーダークラス2名が面接官で、過去のプロジェクトでの役割や成果について細かく質問されました。
  5. 二次面接(部門責任者面接) – 部長クラスの責任者や関連部門のマネージャーとの面接です。よりハイレベルな視点から適性を見るため、「入社後にやりたいこと」「業界動向をどう捉えているか」など戦略的な問いが増えます。またケーススタディ的な質問(「当社の○○サービスをどうグロースさせますか?」等)もあり得ます。私の場合は事業本部長との面接で、小論文のような課題プレゼンを求められました(事前に与えられたテーマについて自分の提案を説明)。
  6. 最終面接(役員面接) – 最後は役員(執行役員や取締役)クラスとの面接です。カルチャーフィットや人柄の最終確認の意味合いが強いです。「なぜDeNAか」「将来どうなりたいか」といった志向性の確認や、ここまでの選考で出た懸念点のすり合わせなどが行われます。リラックスした雰囲気で雑談的な内容になることも多いです。私は南場会長ではなく別の役員の方でしたが、「一緒に働きたいと思える人か」を見ている印象でした。
  7. 内定・オファー面談 – 最終面接を通過すると内定となり、条件提示を受けます。必要に応じて人事との処遇面談があり、入社時期や年収の最終調整を行います。その後、晴れて内定承諾→入社の運びです。

選考期間: 応募から内定までの期間は平均して1〜2ヶ月程度です。
書類選考に1〜2週間、面接は3回の場合2〜4週間というイメージですね。
人気ポジションには応募が集中するためスケジュール調整で長引くこともあります。
一方で、エージェント経由のスピード選考では書類〜内定が3週間程度で進んだ例もあります。私の場合は1ヶ月半ほどでした。
比較的迅速に進む方だと思いますが、希望ポジションによって変動しますので、応募時に人事に大体のスケジュール感を聞いておくと安心です。

難易度・倍率: DeNAは業界内でも人気企業のため、中途採用の倍率は高めと考えられます。
公式な数字は非公開ですが、一般的に書類通過から最終合格まで20倍以上になることも珍しくありません。特にWeb応募は誰でも出せる分、応募者数が多く書類選考のハードルが高いようです。
一方、リファラル(社員紹介)やスカウト経由だと書類通過率が格段に上がり、プロセスも一部簡略化されるケースがあります。
いずれにせよ一握りの精鋭しか受からないくらいの心構えで準備すると良いでしょう。
ただ「難関だから無理だ…」と思う必要はなく、明確な志望理由と自身の強みがマッチしていれば十分チャンスはあります!

面接内容と対策: 面接では論理性+情熱+カルチャーフィットが見られます。具体的な質問例と対策ポイントを挙げます。

  • 「志望動機/なぜDeNAか?」→ 対策: DeNAで実現したいことや共感ポイントを具体的に語れるようにしましょう。多角事業のどこに興味があるか、その理由(自身の経験や価値観に結びつけて)が重要です。「ゲーム業界を変革した御社で次はヘルスケアという新領域に挑戦したい」「南場さんの著書を読み、自分もチームDeNAの一員として世界にDelightを届けたいと思った」など熱意を込めて伝えるとGOODです。
  • 「これまでの成果・具体的なプロジェクト経験」→ 対策: 職務経歴についてはSTARモデル(Situation, Task, Action, Result)で整理して語れるように準備しましょう。特にあなたの貢献と工夫にフォーカスして話すこと。「売上◯%向上させた」「◯人のチームを率いて達成した」など定量・定性両面でアピールしてください。DeNAは論理思考を重視するので、成果を出したプロセスを筋道立てて説明することも大切です。
  • 「挫折経験・難しかった課題と学び」→ 対策: DeNAは挑戦と学習を重んじるので、失敗談も前向きに評価します。ただし単なる失敗で終わらずそこから何を学び次にどう活かしたかを必ず述べましょう。「上手くいかなかったが、このように改善しリトライした結果成功した」など成長ストーリーにつなげると印象が良いです。
  • 「入社後にやりたいこと・事業アイデア」→ 対策: これはかなり高頻度で聞かれます。応募ポジションに関連する既存事業の改善提案でも、新規事業案でも構いません。DeNAのリソースを使って何を実現したいか、自分なりのビジョンを語りましょう。私は「ライブ配信とスポーツの融合イベント」を提案しました。市場分析やターゲット、ビジネスモデルまで簡潔にまとめて話したところ好評でした。奇抜すぎなくてもよいので、あなたの情熱が感じられるテーマを準備すると良いです。
  • 「その他の質問例」:チームでの役割、リーダーシップ経験、数字を用いた課題解決エピソード、最近気になる業界ニュース、尊敬する人物 etc…幅広く聞かれます。想定問答を作りこんで暗記するより、その場の会話を楽しむ余裕も大事です。特に最終面接は雑談的になることも多いので、構えすぎず自然体で臨みましょう。

攻略法(私なりのアドバイス):

  1. 企業理解を深める: ここまで読んで頂いたような内容(事業・文化・戦略)をしっかり頭に入れ、自分なりの視点を持ちましょう。面接官は「この人は我が社をどれだけ研究しているか」を敏感に見ています。DeNAに関するニュースやサービスも実際に利用して所感を持つと説得力が増します。
  2. 自分の強みを明確に: DeNAのどの要素に自分の強みがハマるかを整理しましょう。「自分は◯◯が得意なので、御社の△△事業で貢献できます」とズバリ言えると強いです。私の場合は「戦略コンサルで培った分析力で新規事業の仮説検証をリードできます」とアピールしました。
  3. 情熱と人柄: 論理的なだけでなくDeNAで働きたい熱意人柄の良さも大切です。面接ではハキハキと笑顔で受け答えし、時折相槌を打つなどコミュニケーション力を示しましょう。DeNAはカルチャーフィットを重視するため、一緒に働きたいと思われる親しみやすさも評価ポイントです。
  4. ケースや課題にも冷静に: 想定外の質問が来ても慌てず、自分なりの考えを論理立てて話せればOKです。沈黙せずに「少し考えさせてください」と前置きして整理してから答えるなど落ち着いて対応しましょう。
  5. 逆質問を用意: 面接終盤の「何か質問ありますか?」に備え、他社では聞けない鋭い質問を用意すると印象アップです。例えば「新規事業提案制度の運用について詳しく知りたい」などDeNA独自の話題だと「お、知ってるな」となります。

エージェント活用: DeNAの求人はリクルーティングエージェント経由でも多数出ています。
もし転職活動に慣れていなければ、IT業界に強いエージェントを利用するのがおすすめです。エージェント経由だと、非公開ポジションの紹介や、推薦状により書類通過率アップが期待できます。
さらに模擬面接や年収交渉代行など手厚いサポートも受けられます。
私も最初はエージェントから話をもらい、キャリア相談を通じて自分の志向が整理できました。
特にレバテックやビズリーチといったエージェントはDeNAの採用情報に精通しており、社風にマッチするPR方法などアドバイスをくれます。
もちろん最終的には自分の言葉で勝負ですが、プロの力を借りて万全の準備をするのも賢い戦略です。

まとめると、DeNAの選考は競争率は高いものの、公平に実力と熱意を見てくれる印象でした。
きちんと対策すれば十分チャンスはありますので、怖じけずにチャレンジしてみてくださいね!

DeNAの働き方(1日のスケジュール、ワークライフバランス、チームの進め方、社内文化)

ここでは、実際にDeNA社員がどんな働き方をしているのかをご紹介します。
私や同僚のビジネス職社員の例をベースに、1日のスケジュールワークライフバランス(WLB)チーム運営や社内文化についてイメージを掴んでください。

1日のスケジュール(例):
※ビジネス職30代社員のとある平日の例です。フレックス勤務で在宅ワークメインの場合。

  • 9:30 出社(もしくはリモートで業務開始) – DeNAはコアタイムなしのフレックスタイム制度および裁量労働制を導入しており、多くの社員が10時前後に仕事を始めます。私は週1出社・週4リモートのハイブリッド勤務です。この日は自宅でPCにログイン。
  • 9:45 チーム朝会(オンライン) – Zoomでチームメンバーと15分程度のスタンドアップミーティング。今日やることを共有し、懸念点や助けてほしいことがあればこの場で相談します。カメラONで顔を合わせるので在宅でも一体感があります。
  • 10:00 メール・Slackチェック – 社内コミュニケーションは主にSlackを使用。各プロジェクトのチャンネルで飛び交うメッセージに目を通し、必要な返信を行います。社内Wikiで昨日の会議議事録も確認。
  • 10:30 資料作成・分析業務 – 午前中は集中タイム。先日実施した施策のデータを集計し、効果検証レポートを作ります。ExcelやBIツールで数字を分析し、PowerPointにまとめていきます。音楽をかけながら黙々と作業。
  • 12:30 ランチ – 完全リモートの日は家で簡単に済ませますが、今日は午後から出社予定なので移動がてら昼食をテイクアウト。オフィスは渋谷駅直結なのでランチスポットも豊富です。社員同士でランチに行くときは社食代わりのカフェテリア的スペースも活用します。
  • 13:30 打ち合わせ(対面) – オフィスに到着。13時半からマーケ部の同僚と新キャンペーン施策の企画打ち合わせ。ホワイトボードを使ってブレストし、アイデアを出し合います。DeNAオフィスはフリーアドレスで打ち合わせスペースもおしゃれなので、クリエイティブな議論がはかどります。
  • 14:30 部門横断ミーティング – 引き続き会議室から、別部署(開発チームやデザインチーム)との定例MTGにオンライン参加。他部門とも頻繁に情報共有し合い、課題解決に向けたディスカッションを行います。フラットに意見交換できる雰囲気で、若手メンバーからも忌憚なく意見が出ます。
  • 16:00 資料仕上げ&上司とレビュー – 午前に作成したレポートを上司(マネージャー)にレビューしてもらいます。データの示唆や次回施策への提案など、的確なフィードバックが飛んできます。上司とのコミュニケーションはSlackで気軽にメッセージしたり、コーヒー片手に雑談も。関係は非常にフラットです。
  • 17:00 雑務・問い合わせ対応 – クライアントやパートナー企業とのメールや、社内からの質問に対応します。合間にチームメンバーの作業を手伝ったり、進捗チェックも行います。リモートワーク手当が1日450円支給されるので、コーヒー代に当てつつ作業(笑)。
  • 18:30 退社(業務終了) – キリの良いところでPCを閉じます。今日はオフィスからそのまま退社して帰宅。月末でなければ残業は少なめです。この日は19時には家に着いていました。
  • – 仕事後は趣味のジムへ行ったり、同僚とオンラインゲームをしたりと自分の時間を楽しみます。副業OKなので、スキルアップのために知人のスタートアップを手伝う社員もいます。

ワークライフバランス: DeNAのWLBは総じて良好です。
特にコロナ禍以降はリモートワークが定着し、全社員の約8割が在宅勤務を利用しています。出社率15〜20%程度というデータもあり、必要な時以外は無理に出社する文化ではありません。
勤務時間もフレキシブルで、家庭の事情で午後に中抜けして後で作業する、といった調整も個人の裁量に任されています。
残業時間は部署によりますが、全社平均では月20〜30時間程度と大きな負荷にはなっていません(※ゲームの新タイトルリリース前など繁忙期はもう少し多くなることも)。DeNAはみなし残業45時間分を基本給に含む給与体系ですが、実際に毎月45時間フルで残業する人は少ない印象です。
私も繁忙期で月40時間、通常月は10〜20時間程度です。21時〜翌朝は原則社内チャットの通知もオフになるなど、深夜残業を避ける仕組みも整えられています。

有給休暇も取りやすく、夏季休暇・年末年始休暇とは別にリフレッシュ休暇など特別休暇制度もあります。
育児・介護休業の実績も豊富で、男性の育休取得率も60%を超えています(2024年時点)。実際、私のチームの男性メンバーも1ヶ月の育休を取得し、その間チームでフォローし合いました。
ライフイベントと仕事を両立しやすい環境と言えます。副業も解禁されており、多くの社員が週末に個人プロジェクトやスタートアップ支援を行っています。
副業OKにした結果、社員の離職率が下がったというデータもあり、自由な働き方を認めることで優秀な人材の定着に成功しています。

チームの進め方・コラボレーション: DeNAのチームは基本少数精鋭のプロジェクト単位で動きます。
一つのサービスにつきビジネス担当、エンジニア、デザイナー、マーケ担当などクロスファンクショナルなチームが組成され、それぞれが専門性を発揮しつつ意思決定は迅速に行われます。
アジャイル開発の手法を取り入れているプロダクトも多く、週次でスプリントレビューを行い改善を積み重ねています。
ビジネス職も企画段階からエンジニアと議論し、ユーザーストーリーを作ったりするなど、職種間の垣根なくコラボレーションする文化です。

コミュニケーションはとても活発で、Slackでは雑談チャンネルから技術QA、趣味の部活動チャンネルまで様々。
部署横断の情報共有も盛んで、面白いプロジェクトがあるとすぐに社内SNSで話題になり、他部署の人がフィードバックをくれたりします。私もヘルスケア事業部の方と雑談チャンネルで知り合い、ランチで話す中から一緒にコラボ企画を立ち上げたことがあります。
オープンでフラットな組織風土が、部署間シナジーを生んでいると感じます。

社内文化・イベント: DeNAはカルチャー発信にも力を入れており、社内イベントもユニークです。
たとえば、「全社ハッカソン」「新規事業ピッチコンテスト」が定期開催され、職種を問わず手を挙げた社員がチームを組んでアイデアを競い合います。優勝すると実際に事業化に向けた予算が付くこともあり、社内から次のサービスを生み出そうという熱気があります。
またリモートワーク下で社員同士の繋がりを維持するため、オンライン運動会「Fit Festa」などユニークなイベントも開催しています(ゲーム感覚でチーム対抗のフィットネスチャレンジをする企画で、私も在宅でスクワットしながら参加しました笑)。
コロナ前には部門飲み会や全社キックオフもありましたが、最近はオンライン交流がメインですね。

風通しの良さ: 社員は上司もニックネームや「さん」付けで呼ばずフラットに呼び合う文化があります(南場会長も社内では「ナンバーさん」と呼ばれ親しまれています)。
意見提案もSlackのオープンチャンネルで誰でも発言できますし、経営陣との距離も近いです。
全社朝会(オンラインで月1開催)では社員から経営への質疑応答も活発に行われます。「Speak Up」を奨励する文化があるので、新入社員でも遠慮せずどんどん発信してOKです。

働く環境: オフィス環境はWeWork内ということもありとても綺麗でおしゃれです。
フリードリンク、軽食販売、静かな集中ブースやカジュアルなソファエリアなど多彩なワークスペースがあります。
服装も自由で、Tシャツ短パン姿の社員もいればスーツ姿の営業職もいて様々です。自分らしいスタイルで働けます。
リモート用の機材(高性能ノートPC、モニター、Webカメラなど)も会社貸与され、生産性高く仕事ができるよう配慮されています。

総じて、DeNAの働き方は「自由と責任」のバランスが取れていると感じます。
自由度は高いですが、それに応える形で各自がプロ意識を持って仕事を進めています。
ワークライフバランスも尊重され、プライベートとの両立もしやすいです。ビジネスパーソンにとって、これだけ柔軟でメリハリのある働き方ができるのは魅力ですよね。

卒業後のキャリアパス(DeNAを辞めた後の主な進路)

DeNAで経験を積んだ後、どんなキャリアパスが拓けるのか?これは将来を考える上でも気になるポイントでしょう。
DeNAの“卒業生”たちのキャリアについて、主なパターンをご紹介します。

  • 起業・スタートアップ参画: 前述のとおり、DeNA出身者からは数多くの起業家が誕生しています。自分で会社を興すケースもあれば、創業間もないスタートアップのCxO(経営陣)としてジョインするケースもあります。DeNAで磨いたネットサービスの知見やマネジメント力を武器に、新たなマーケットに挑戦する方が多いです。社内で新規事業の種を見つけてスピンオフ起業する例もあります(SHOWROOMやMirrativはDeNA事業を独立させたケースです)。DeNA OB・OG同士の繋がりも強く、起業時に先輩OBから出資を受けるといった支援関係もあります。実際、DeNA会長の南場さん自らOBのスタートアップにエンジェル投資するケースもあり、「卒業生を本気で後押しする」文化があります。将来起業志向がある人にとって、DeNA時代のネットワークは大きな財産になるでしょう。
  • 他のメガベンチャーや大企業への転職: DeNAでの実績を評価され、他の有力IT企業や事業会社へ転職する例もあります。例えば、メルカリや楽天、サイバーエージェント、リクルートといったネット業界の雄にマネージャークラスで引き抜かれるケースなどです。また、トヨタやソニーなど伝統的大企業が新規事業要員としてDeNA出身者を採用することもあります。DeNAのようなスピード感ある環境を経験していると、どの企業でも即戦力として活躍できるとみなされやすいです。特にプロダクトマネージャーやデータ分析のスキルを持つ人材は引く手数多ですね。私の知人でも、DeNAから外資系IT企業(Googleなど)にステップアップした方がいます。DeNAブランドは転職市場でも評価が高く、次のキャリアの選択肢が広がるのはメリットです。
  • VC(ベンチャーキャピタル)や独立コンサル: ビジネス職として培った目利きや戦略立案力を活かし、VCの投資担当や独立してコンサルタントになる人もいます。特に新規事業の知見があると、スタートアップ支援の分野で重宝されます。実際、DeNA出身者がVCファームを立ち上げたり、フリーランスの事業顧問として活動する例も見受けられます。会社を辞めてもOBコミュニティで繋がっており、DeNA人脈から案件紹介を受けることもあるようです。大企業勤務では得られないベンチャーマインドと人脈が、独立後の強みになるのだと思います。南場さん自身も「卒業後も活躍できる人材を育てたい」と公言しており、離職者に対してポジティブです。
  • 再度コンサルやMBA留学: 中には一度事業会社を経験した後、戦略コンサルに戻ったりMBA留学を経てキャリアチェンジする人もいます。DeNAでの実務経験はビジネススクールでも話のネタになりますし、コンサルでもより実践的な提案ができると評価されます。私の同期にも、DeNAを経て海外MBAに進み、その後起業準備している人がいます。「事業会社→MBA」の流れはキャリア形成として理にかなっており、DeNAでの経験はエッセイやインタビューでもアピールしやすいでしょう。多様なバックグラウンドの同僚と働いた経験成功・失敗の実例は貴重な教材になります。
  • 社内キャリア継続: これは卒業後ではないですが、DeNAで長くキャリアを積み重ねる道ももちろんあります。平均勤続年数は5〜6年ですが、10年以上在籍している社員も多数います。特に新卒1桁台(創業初期)からのメンバーは会社と共に成長し、役員やフェローとして活躍されています。DeNAはジョブローテや職種転換にも柔軟なので、一社の中で色々なキャリアを試せる点も留まり続ける動機になっています。逆に外に出てもまたDeNAに「出戻り」入社するケースもあり、一度離れて価値を再認識して戻ってくる人もいます。

このように、DeNAを経験した後のキャリアパスは実に豊富です。
要するに「何でもできる人材」になれるので、起業にせよ転職にせよ有利に働くわけですね。DeNAのOB・OGコミュニティは横の繋がりが強く、情報交換やビジネスコラボも活発です。卒業後も続くネットワークは貴重で、私も入社後に社外の元DeNA起業家の方と知り合う機会が何度かあり、大変刺激を受けました。

もちろん、一度入ったら長く貢献してくれるのが会社としては理想でしょうが、DeNAは「去る者追わず、むしろ背中を押す」スタンスです。
実際に南場さんは「いつか卒業するときにはDeNAファミリーとして応援する」とおっしゃっています。ですから「将来起業したい」「いずれは海外で挑戦したい」といった野望がある方も、まずDeNAで力を付けて羽ばたくというのは良い選択だと思います。

DeNAに関するおすすめ書籍リスト

最後に、DeNAやその創業者に関するおすすめ書籍をいくつかご紹介します。
企業研究を深めたり、DeNAのカルチャーを肌で感じたりするのに役立つ本ばかりです。ぜひ手に取ってみてください。

  • 『不格好経営 — チームDeNAの挑戦』南場智子(著)
    創業者・南場智子さん自らが綴ったDeNA創業ストーリーです。マッキンゼーを辞めて起業し、数々の困難を乗り越えながらDeNAを一流企業に育て上げた奮闘が赤裸々に語られています。成功だけでなく失敗談も包み隠さず書かれており、「Mobage」誕生秘話や経営判断の舞台裏など読み応え抜群です。DeNAのDNAとも言えるベンチャーマインドを学べる一冊で、私も転職前に読み込んで面接で感想を話したところ好印象でした!
  • 『生まれ変わった星 横浜DeNAベイスターズ変革記』南場智子(著)
    DeNAがプロ野球球団を引き継いでからの改革の軌跡を描いた本です(2025年刊行)。万年最下位だった球団をどう立て直し、ファンに愛されるチームへ変貌させたのか、南場さんならではの視点で綴られています。スポーツビジネスに興味がある方や、組織変革のお手本を知りたい方におすすめです。DeNA流のデータ活用やブランディング戦略なども垣間見え、単なる野球本に留まらない経営書としても楽しめます。
  • 『メモの魔力』前田裕二(著)
    意外かもしれませんが、DeNA出身の起業家・前田裕二さん(SHOWROOM創業者)のベストセラーです。内容はビジネスパーソン向けの自己啓発に近いですが、前田さんがDeNA在籍時代に培ったであろう圧倒的なアウトプット術が詰まっています。メモを活用してアイデアを形にする方法や、夢を実現するための思考法は、DeNAで求められる発想力・行動力にも通じます。著者の熱量からDeNAカルチャーの一端を感じ取ることもでき、「挑戦し続ける人」のマインドセットを学べる一冊です。

以上3冊を挙げましたが、この他にも南場智子さん関連では『世界を巻き込む ディー・エヌ・エー 南場智子の経営哲学(仮題)』などのインタビュー集や、DeNAのビジネスモデル分析に触れた業界研究本なども存在します。
まずは創業者の思想や社風を理解する上で『不格好経営』は必読と言えますし、私自身これを読んで「このチームの一員になりたい!」と強く思った記憶があります。


おわりに:
長文のガイドとなりましたが、DeNAへのビジネス職転職に役立つ情報を網羅してみました。
私自身、コンサルからの転職で不安もありましたが、今ではDeNAで働く毎日が刺激的で充実しています。
皆さんがこのガイドを活かして転職を成功させ、ぜひ一緒に「世界に驚きと喜び(Delight)を届ける」仲間になってくださることを願っています!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
転職活動、応援しています!ぜひ頑張ってくださいね。
疑問や不安があれば遠慮なく周囲に相談しつつ、ベストな決断をされることを祈っています。健闘を祈ります.