フリーランスコンサルタントは「卒業」後のキャリアパスを意識しないと人生詰みます(2025年)

フリーランスのコンサルタントとして独立し活躍した後、その次のキャリアはどのような選択肢があるのでしょうか?「フリーランスを卒業する」というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、実際にはフリーランス経験を土台に新たなステージへ進むポジティブなケースがたくさんあります。ここでは、日本国内の事例やデータを中心に、フリーランスコンサルタントがその後どのような道に進んでいるのかを解説します。自由な働き方のメリットを活かしつつ、どんなリスクや転機があるのかも一緒に見ていきましょう。

企業への転職:事業会社・スタートアップ・コンサル復帰

事業会社への転職

フリーランスで培った専門スキルや実績を武器に、企業の正社員へ転職するケースは少なくありません。特に事業会社(一般企業)の社内専門人材やマネージャー職として迎えられる例があります。企業側も即戦力となる人材を求めており、「経験を活かし即戦力になるから」という理由で中途採用するケースが66.1%に上るというデータもあります​。実際、フリーランスのコンサル経験者が社内のプロジェクト推進役や経営企画などに抜擢されることも多いです。

フリーランスから企業に入る動機としては、長期的な安定やチームで働くやりがいを求める場合があります。例えば50代の元フリーランスデザイナーの方は「仕事が減ってきた」ことをきっかけに上場企業の社内デザイナーへ転職し、当初は収入減も覚悟していたものの結果的に前職より高い給与に加え住宅補助も得られ、大幅な収入アップにつながったと語っています​。このように、フリーランス時代より安定収入を得て生活基盤が強化されるケースもあります。また正社員になることで社会的信用が増し、住宅ローンが通りやすくなるといった現実的なメリットもあります。

スタートアップやベンチャー企業への転身

近年はスタートアップ企業にフリーランスからジョインする例も増えています。急成長中のベンチャーでは即戦力のプロ人材を求めており、フリーランスで実績を積んだコンサルタントがCXO(経営幹部)や事業責任者として招かれることがあります。大手ファーム出身で独立した佐藤弘幸さんのケースでは、新卒で野村総合研究所に入社後、30歳手前でスタートアップ企業へ転身し、在職中に兼業でフリーランスコンサルタントとしても活動。さらにフリーランス同士をチーミングするプラットフォーム事業を立ち上げ、自ら法人を設立するに至っています​。このようにスタートアップへの参画は、フリーランス経験者にとって自身の裁量で事業を動かせる魅力的なフィールドであり、新規事業の創出や経営への本格的な関与につながっています。

スタートアップ転身のメリットは、自分のスキルをよりダイナミックな環境で試せる点です。フリーランス時代には外部から支援していたプロジェクトを、内部メンバーとしてリードできるため、達成感もひとしおでしょう。急成長する企業の中で株式(ストックオプション)を得て将来的なリターンを狙える点も、経済的な魅力と言えます。ただし初期段階では大企業ほどの高給与でない場合もあり、報酬より成長や将来性を優先して飛び込むケースが多いようです。

コンサルティングファームへ戻るケース

一度フリーランスになった後、再びコンサルティングファーム(コンサル会社)に復帰する道もあります。フリーで得た業界知見やネットワークを評価されて、前職のファームにシニアポジションで呼び戻されたり、別のコンサルファームにマネージャーやパートナー候補として転職する例です。フリーランス期間にクライアントワークを通じて専門性を高めていれば、「専門的知識・能力があるから」採用したいという企業ニーズにも合致します​。実際、監査法人や外資コンサル出身で独立し、その後事業会社役員等を経て新たな企業の代表に就任した中田隆三さんのように​、キャリアを一巡させてさらに大きな役割を担うケースもあります。

コンサル復帰の場合、個人で活動して感じた限界(大規模プロジェクトはチームが必要、ブランド力の重要性など)を解消できるメリットがあります。大手ファームの看板や豊富なリソースを再び活用でき、自らはマネジメントや若手育成に注力することでキャリアアップにつなげることも可能です。一方で再び組織のルールに従う窮屈さや社内業務の煩雑さを感じる場合もあるため、自身の優先順位と照らし合わせた選択が重要です。

起業ケース:フリーランスから起業家へ

フリーランスコンサルタントとしての知見を活かして、自ら会社を興す起業家になる道も大きな選択肢です。独立当初は一人でコンサル業を営んでいた方が、事業を拡大して社員を雇用しコンサルティング会社を起業するケースや、コンサルタントとして関わった業界で新しいサービスやプロダクトを開発しスタートアップを創業するケースなど様々です。

実例として、前述の佐藤さんはフリーランス仲間の課題を解決するためのプラットフォーム事業を立ち上げ、自ら代表取締役となりました​。また中田隆三さんはフリーのコンサル・M&Aアドバイザーとして活動後、プロジェクトを通じて生まれた株式会社BIZVALというスタートアップの代表に就任し、M&Aマッチングのビジネスを一から育てています​。このように、フリーランスとして関わったプロジェクトや人脈がきっかけで新会社を設立するケースもあります。

フリーランスから起業への強みは、市場やクライアントのニーズを肌で感じ取った上で事業アイデアを練れる点です。独立時代に培った信用やネットワークは起業後の顧客獲得にも役立ちますし、何より「ボス(上司)」不在で事業オーナーになっている分、意思決定のスピードと自由度が高いのが魅力です。もちろん起業にはリスクも伴いますが、フリーランスとして鍛えた自己管理能力や営業力は、そのまま起業家としての武器になるでしょう。成功すれば自身のビジネスをスケールさせ、大きなリターンを得る可能性もありますし、たとえ途中で壁に当たっても再度フリーランスに戻ったり別の企業に参画するといった柔軟な軌道修正ができる点でも、フリーランス経験者はしなやかな挑戦者と言えます。

投資家・専門家としての転身

フリーランスコンサルタントとして十分な実績と資金を蓄えた後、投資家に転身する道もあります。ベンチャーキャピタル(VC)やプライベートエクイティ(PE)ファンドはコンサル出身者にとって人気のエグジット先であり、事業を見る目や分析力を買われて投資ファンドのメンバーになるケースがあります。ファンドにジョインすれば、自ら企業経営をする代わりに多数のスタートアップを支援・育成し、出資によるリターンを狙う立場に回れます。特にコンサルタントとして戦略眼を磨いた人は、投資先企業の経営アドバイスやハンズオン支援で活躍しやすく、ベンチャー投資の世界で存在感を示している人も増えています。

また、そこまで本格的な投資家ではなくともエンジェル投資家として自身の人脈内の起業家に出資したり、専門知識を活かした事業顧問・社外取締役に就任するといった形で「専門家」「メンター」としてキャリアを築く例もあります。たとえば外資系投資銀行を経てスタートアップを起業し、同時にフリーランスのプロジェクトにも関与しているAさんは「複数の会社と関わりを持つことでスキル向上やビジネスアイデアの発見につながる」と語っています。このように一社に属さず複数社のアドバイザーを務めたり、自身も出資して関わるスタイルはポートフォリオワーカーとも呼ばれ、フリーランスコンサルの経験を昇華させた新しい働き方と言えるでしょう。

フリーランス時と転身後の収入変化【データ】

キャリアを変える際に気になるのが収入の変化です。フリーランスコンサルタントは高い専門性ゆえに、条件が良ければかなり高収入を得ることも可能です。例えば戦略系ファーム出身のマネージャークラスのフリーランス案件では、月額単価の平均が約175万円とのデータがあります​。単純計算でフル稼働すれば年収1700万円程度となり、これはコンサルファーム在籍時より年収アップになる可能性がある水準です​。実際、フリーランスになると「年収が上がった」と感じる人も少なくありません。

一方、企業勤務へ転身した場合の収入は業界や役職によって様々です。一般的な事業会社の管理職に転職する場合、フリーランス時代ほどの月収にならないケースもありますが、その代わり賞与や福利厚生、退職金などトータルの待遇面で安心感が得られます。先述の50代デザイナーの例では「提示給与は前職より高く、住宅補助もあり大幅収入アップになった」とのことでした。このようにフリーランス時代に十分な案件を取れていなかった人にとっては、転職が収入増につながる場合もあります。逆にフリーで高収入を得ていた人が安定志向で企業に入る際は、一時的に収入が下がることを受け入れているケースもあります。

起業する場合は、創業当初は役員報酬ゼロまたは控えめに設定して事業投資に回すことが多いため、短期的には収入が減る覚悟が必要でしょう。しかし事業が軌道に乗り成長すれば、自身の会社の利益や株式価値が大きなリターンとなり得ます。投資家に転身した場合も、ファンドから支給される報酬に加え出資先の成功による成果報酬(キャリー)で場合によってはコンサル時代を上回る収入を手にする可能性があります​。もっとも、こうした道はハイリスク・ハイリターンでもあるため、収入面の比較だけで判断するのではなく、自分が実現したい働き方やライフプランに沿って選ぶことが大切です。

年齢とキャリア転身のタイミング

何歳ごろに転身する人が多いのか?フリーランスコンサルタントのキャリアにおいて年齢も重要な要素です。総務省の調査によれば、日本のフリーランス人口は45~54歳の中高年層が最も多く、男性フリーランスでは50~54歳が最大のボリューム層となっています​。またフリーランスという働き方自体、年齢が上がるにつれて主業として選ぶ人の割合が高くなる傾向があります。これは、多くの人が企業で経験を積んだ後、40代以降に独立に踏み切っていることを示唆しています。

その一方で、フリーランスとして働き続ける年齢の上限について現場の声もあります。特にIT系などでは「40歳代以降は案件数が減少する」と言われており​、体力面や新しい技術へのキャッチアップなどのハードルからシニア層のフリーランス案件獲得が難しくなる場合があります。このため、50代前後で「このままフリーでやっていけるだろうか?」と将来に不安を感じ、正社員回帰を検討するケースも少なくありません​。実際、子どもの教育費負担や自分の健康不安などライフイベントをきっかけに経済的リスクを意識して再就職を考える人が多いようです​。

一方、20~30代の比較的若いフリーランスコンサルタントの場合、転身の動機やタイミングはまた異なります。例えば新卒からフリーで活動してきた人が「やはり正社員として企業経験を積みたい」と感じて20代半ばで就職するケースや、30代前半で結婚・出産を機に安定を求めて転職するケースなどがあります。若い世代では「市場での経験値を高めるため一度会社員になってみる」という前向きな理由でフリーランスを一時卒業することもあります。また独立後に「思うように案件が取れない」「マーケットのニーズと噛み合わず収入が伸びない」と感じて後悔し、比較的早めに正社員に戻る例も見られます​。

このように、フリーランスを続けるか転身するかの判断は年齢やライフステージによって千差万別です。重要なのは、自分のキャリアビジョンと照らし合わせて適切なタイミングを見極めることです。独立時に描いた将来像が変化しても柔軟に対応できるのがフリーランスの強みでもあります。実際に「正社員になりたいか改めてじっくり考えてみては?」というアドバイスもあるように​、立ち止まって方向転換する勇気もキャリアでは大切ですね。

フリーランスを卒業して得られるキャリアアップの機会

フリーランスコンサルタントとして独立した経験を持つ人が次のステージに進むとき、そこには新たなキャリアアップのチャンスが広がっています。まず企業へ転職した場合、一専門家としてだけでなく組織の中でマネジメント経験を積むことができます。部下やチームを率いてプロジェクトを動かす立場を経験すれば、将来的により大きな組織を統括する役職や役員への道も開けるでしょう。また社内での様々な部門との協働や、経営層との折衝を通じて、フリーランス時代には得にくかったビジネス全体を俯瞰する視座が養われることもあります。それにより自身の市場価値がさらに高まり、将来的な転職や独立2回目(リベンジ独立)にもプラスになります。

スタートアップへの参画や起業に踏み切った場合は、自分のビジョンを形にできるという大きなやりがいが得られます。フリーランスの頃はクライアントのビジョン実現を支援する立場でしたが、自ら事業オーナーとなれば描いた構想を自分の手で実現に移せます。仮に失敗してもそれ自体が貴重な糧となり、次の挑戦への経験値となります。日本国内でもフリーランスから起業して事業売却や上場を果たした例もあり、「独立系コンサル出身の起業家」として成功する道も十分開けています。

さらに投資家や専門アドバイザーになれば、一人のビジネスパーソンとしてより広範な影響力を持つことができます。複数の企業に関与して産業全体の発展に寄与したり、後進のスタートアップを育てる「恩返し」のような活動ができるのは、このステージならではの醍醐味です。フリーランス時代に築いた人脈や信頼があればこそ、「ぜひ力を貸してほしい」と声がかかる場面も増えます。まさにフリーランス経験があるからこそ得られる次章のチャンスと言えるでしょう。

最後に忘れてはならないのは、フリーランスとして働いた経験それ自体が大きな財産であり、たとえ卒業しても無駄にはならないということです。独立して案件を勝ち取ってきた実績、自己管理や顧客折衝のスキル、様々な業界を横断した知見やネットワーク…。これらは次のキャリアでも必ず活きてきますし、「あのとき独立したから今の自分がある」と胸を張って言える糧となります。実際、フリーランスコミュニティでは「いつでもまた独立できる」というマインドで正社員を経験しに行く人もおり、ある意味とても前向きです。

まとめ:フリーランス経験は次のステップへの糧

フリーランスコンサルタントがそのキャリアを「卒業」して歩む道について、企業への転職、起業、投資家・専門家への転身など様々な角度から見てきました。どの道を選んだとしても、フリーランスとして独立した経験は決して無駄にならず、新たなフィールドで大いに役立っています。むしろフリーランス時代に培った自主性や専門性のおかげで、転身後に早くから結果を出したり高く評価されるケースも多いのです​。一方でフリーランスを続ける中で直面しがちな不安(収入の波や営業負担、将来設計など)についても触れましたが​、そうしたリスクと向き合ったからこそ得られた強さもあるでしょう。

フリーランスとしてポジティブにキャリアを積みつつも、「いつかは別のステージに挑戦してみたい」「このままで良いのか?」と悩むことは自然なことです。大切なのは、自分の気持ちに正直になりつつ市場の状況やライフプランを考慮して、柔軟にキャリアチェンジの舵を切ることです。幸いなことに、現代は働き方が多様化し、フリーランスから正社員、起業家、投資家へとボーダーレスに活躍できる時代です。フリーランスを卒業することは決して「安定に逃げる」ことではなく、新たな可能性への挑戦でもあります。

あなた自身がフリーランスとして培ったものを信じて、次のステップを前向きに検討してみてください。たとえ道が曲がりくねっていても、その経験のすべてがキャリアの糧となり、きっと将来の成功につながるはずです​

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