ケース面接は、抽象的なものごとを具体化し、定量/定性的に評価していくプロセスを経ます。
その抽象的なものごとを具体化する際に使用するのがフレームワークです。
万能なフレームワーク
3Cや5Forceは万能ではなく、使える状況が決められています。また、面接官としても、今時、3Cや5Forceは知っていて当然であり、それらフレームを使っても他の候補者との差別化になりません。
そこで、今回は、ケースで困ったときに、万能で使える便利なフレームを紹介します。
「どこから手を付けて良いか分からない」ケースで、どうやって適切な切り口を見つけるか?を考えるためのものです。
考えられる切り口は4つだけ
ケース面接で詰まったときは、以下の4つの切り口のどれか、もしくは、その組み合わせで解けないかを考えます。基本的にはケースはこの4つの切り口で解けるはずです。
①構成要素で考える
まずは、最もポピュラーな切り分け方の一つが構成要素に分解する、というものです。
対象を構成要素に分解することで、課題の根本原因を追究したり、どこに事業展開の余地があるかを考えます。
例えば、
利益減少の原因を分析するときは、”利益”を構成する要素に分解していき、どこに課題があるかを突き止めます。
利益=売上ーコスト
売上=販売単価×販売個数
販売個数=客数×顧客当たり購入個数
他にも、システム関連会社が垂直統合的に事業展開を行う領域を検討する際には、”コンピューター”をシステム構成要素に分解して考えることもできます。
コンピューター=ハードウェア+ソフトウェア+ネットワーク
ハードウェア=CPU/GPU+メモリ+HD/データセンタ
ソフトウェア=OS+ミドルウェア+アプリケーション
②プロセスで考える
プロセスで分解して物事を考える方法も有名で、広く知られています。
例えば、ある商品の消費者への拡大を考える際は、消費者の商品購入のプロセスに分解して考えます。
認知>興味>購買>継続
他には、企業のコスト削減や、垂直統合の可能性の分析ではバリューチェン分析により、企業活動のプロセスを分解します。
購買>製造>流通>販売>アフターフォロー
③ステークホルダーで考える
ケース面接においては、必要なステークホルダーを漏らさずに検討を仕切ることが必要です。
ついつい忘れがちなので注意しましょう。
例えば、ある事業へ参入することを検討する場合は、その事業に関係するステークホルダーに分解して検討する必要があります。(いわゆる、3C分析です)
事業の成功度合い=顧客の需要+自社の優位性+競合の脅威
他にも、ある事業の拡大を考えるときは、カスタマーセグメントを漏らさず考えることが必要です。
見込み顧客=新規顧客+既存顧客
既存顧客=ライトユース顧客+ヘビーユース顧客
慈善事業団体が途上国の教育事業を改善する際の論点は、ステークホルダーを洗い出すとMECEに検討することが可能です。
教育事業のステークホルダー=政府/自治体+教育関係者(学校/教師)+被教育者(両親/生徒)+慈善団体
④価値基準で考える
最後に、難易度の高いケースでは価値基準を分解することで、突破することができます。
有名なフレームワークがある訳ではないので、気づき辛いですが、必要に応じて使いこなせると便利です。
例えば、企業の財務目標を設定する際に、どのような観点の目標があれば、企業の状況を正しくモニタリングできるでしょうか?
企業が達成すべき価値=安全性+収益性+成長性
以上がケース面接の多くの情報で活用できる4つの切り口(①構成要素、②プロセス、③ステークホルダー、④価値基準)です。
ケース面接の練習や面接で行き詰まり、思考停止してしまったときに、上記4つの切り口のどれかで突破できないかを考えてください。
ケース面接で広範に有用なフレームについて解説しています。
ケース面接上級者向けの対策方法について記載してます。
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