マッキンゼーの中途採用面接は、ケース面接とビヘイビアー面接(リーダーシップ経験の深堀り)によって構成されます。
個性が出るリーダーシップ経験の深堀りとはことなり、ケース面接は標準的なフォーマットに沿った問題によって実施されるので、候補者間の優劣が非常に強く出ます。
したがって、マッキンゼーの面接対策において、ケース面接対策は非常に重要になります。
マッキンゼーのケース面接について
マッキンゼーのケース面接は、グローバルで共通で開発されたパッケージを基に行われます。
これは、過去にマッキンゼーが従事した実際のケース(コンサルティングプロジェクト)をケース面接用にアレンジしたものになります。
したがって、内容はリアリティのあるもので、解答するのも楽しめるものになっています。
他のコンサルティングファームでは、面接官がその場の思いつきでケースを出すこともあるので、正直微妙な内容のケースや現実味の無い意味不明なケースを解かされることもあります。
ケース面接のフォーマット
マッキンゼーのケース面接はグローバルで統一されたフォーマットに沿って作成されているので、おおよその構成が画一化されています。
たいていの場合は、以下のような構成になっています。
前提説明・確認
まず、面接官がケースの前提を説明してくれます。
- どこの国での話か?
- クライアントは誰か?
- クライアントは何に困っているのか?
後述しますが、マッキンゼーの面接は日本語で行われる場合と英語で行われる場合があります。
日本語で行われる場合であれば、資料はすべて英語ですが、日本語で説明してくれます。
前提の説明を受けて、気になったことや理解しておくべきということは必ず追加で質問してください。
あまりにも基本的なことを聞くのは問題となることがあるかもしれませんが、基本的に積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢はポジティブに評価されます。
また、前提の説明がなされたタイミングで、内容をサマライズし、自分の理解が正しいかを面接官とすり合わせておくこともお勧めします。
思考力の問題ではなく、前提の理解ができなかったためにケース面接に不合格となるのは大変もったいないことなので。
問1:仮説構築・調査項目設計
多くの場合、最初の問ではクライアントの課題解決においてどのような仮説構築を行うかを問われます。
例えば、「クライアントはコスト削減に苦慮している」というお題であれば、一つ目の問いは、「クライアントのコストにはどのような要素がありますか?構造的に整理して教えてください」というような問いがなされます。
コスト項目を可視化することにより、どこに課題があるのかの仮説が立てられますし、実際のプロジェクトでは各項目を調査していくことで課題解決の糸口を探すことができます。
問2:グラフの読み取り
2問目では、グラフの読み取り問題が出題されることがよくあります。
これは、ケースのテーマに関するグラフが提示され、そのグラフからどのような示唆が抽出できるかを問われるものです。
例えば、先ほどのコスト削減のケースであれば、各部署やバリューチェーン、地域別などのコスト一覧を提示され、そこから何が言えるかを問われます。
例えば、「ある地域の製造コストが他地域より高く、それは物価が高いことによる。したがって、クライアントは工場の移転を検討することができる」といった示唆を提示することができます。
示唆は一つ提示すれば良いのではなく、幅広く様々な観点からSo What?を抽出できる候補者が好まれます。
ブレストだと思って、様々な観点から意見を述べることをお勧めします。
問3:計算問題
ケース面接の中で、必ず計算問題が出題されることもマッキンゼーのケース面接の特徴です。
これは数字に対する感度や簡単な暗算能力を確認したいために、出題されます。
専門とするジャンルにより多寡は異なりますが、戦略などの上流領域を担うコンサルタントは数字の感度や扱いに長けている必要があります。
一方で、ケース面接で出題される計算問題は、そこまで難しい問題ではありません。簡単な四則演算ができれば十分解答できる問題です。
例えば、コスト削減の例で言うと、「ある部門は材料AをB社から必要量の30%、C社から70%調達しています。材料Aの価格は、B社が$15、C社が$10です。今回、価格交渉により、B社からの調達価格も$10となりました。B,C社を合計した材料Aの調達価格のは何%削減できますか?」といった内容の出題になります。
このような簡単な掛け算、割り算で算出できる問題が出題されますので、少し練習しておけば落ち着いて回答できます。
また、計算に関しては、適宜端数を切り捨てて、ラウンドアップして行いましょう。上2桁以降はすべて四捨五入するくらいの感じで問題ありません。
面接官にとって重要なことは、候補者が正しい数式を構築できたかと、計算間違いなく確からしい(完璧でなくてよい)数字を算出することができたです。
また、解答は、答えの数値→計算式→(必要に応じて)計算過程の順で解答しましょう。
その他ポイント
英語面接
マッキンゼーの面接はトータル5回(1日目:2回、2日目:3回)行われますが、そのうち1回は英語で行われます。英語面接は2日目になることが多いようです。
英語で行わる回は、全会話英語で行われるので当然ケース面接も英語になります。
また、英語面接の面接官はネイティブの外国人のこともあれば、日本人であることもあります。
ディスカッションを楽しむ
マッキンゼーのケース面接では、ケース面接を楽しむことが重要です。
求められていることは、完璧な答えを一人で考え出せることではなく、答えのない問題を考えることを楽しめる人なのか、チームメンバーとCoCreationできる人なのかということです
この辺りは、伊賀雅代さんの書籍に触れられているので参考にしてください。
ケース面接の対策
これまで説明したようにマッキンゼーのケース面接はグローバルで統一されたフォーマットに沿った内容であり、ほかのコンサルティングファームのケース面接と内容が異なります。
したがって、マッキンゼーのケース面接対策はマッキンゼーのケース面接のフォーマットに沿った内容で行う必要があります。
特に、計算問題はマッキンゼー独特の内容であり、他社の過去問やケース面接対策本ではなかなか練習しづらい内容になります。
そこで今回、マッキンゼーの過去のケース問題をまとめた資料を作成しました。
過去問題なのでマッキンゼーのケース面接を理解することができるとともに、ケース面接の練習をするのにも最適な内容になっています。
マッキンゼーを受験する人は、ぜひケース面接の練習に活用してください。
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