スタンフォード卒、元マッキンゼーのコンサルタントだったビクター・チャン氏によるケース面接対策の書籍を紹介します。
数あるケース面接対策の書籍のうち、どれか1冊を選べと言われたら、私はこの書籍をお勧めします。
実際、私もコンサル未経験からコンサルタントに転職する際に、この書籍の英語版を読み、ケース面接を理解する際に大変参考になりました。
理由としては、ケース面接で評価されるポイントがコンサルタント未経験者にも理解しやすく説明され、併せてどうすれば良いか?もシンプルに解説されているからです。
「なぜ、ケース面接では簡潔なコミュニケーションが求められるか?」
「なぜ、ケース面接では仮説思考が求められ、絨毯爆撃的なアプローチが敬遠されるのか?」
「なぜ、ケース面接では事実を基にした問題解決が求められるのか?」
「なぜ、ケース面接では自信を持った態度が求められるのか?」
これら、ケース面接の評価基準がなぜ求められるのかを、ビクター・チェンのコンサルタント時代のクライアントワークの経験から説明されています。
この説明が具体的なので、コンサルタント未経験者も、ケース面接がなんのためにあって、実際自分は何をすれば良いかを理解することができます。
ケース面接の攻略(アプローチ)
この書籍では、ケース面接へのアプローチとして、①仮説設定、②イシュー・ツリーの構築、③ドリルダウン分析、④統合的コミュニケーションを説明してます。
著者は元マッキンゼーですが、マッキンゼーの資料を使ったケース面接は、この4つのステップを順番に使うことがそのまま求められます。
したがって、マッキンゼーを受ける人はこの書籍を良く確認しておくこと良いと思います。(もちろん、マッキンゼー以外のファームのケース面接に対しても有用です。)
①仮説設定
戦略コンサルティングファームのケース面接は常に仮説ドリブンで進みます。
それは、不確定な課題に対して、短時間で精度の高い答えを導出するのには、
仮説を設定してからその正否を明らかにするアプローチが最も効率が良いからです。
ビクター・チェンはケース面接が始まったら最初の5分以内に仮説を宣言すべきだと説きます。(この辺りは、コミュニケーションが曖昧だと、アイデアベースで話しているだけの人と捉えられるリスクがあるので難しいところではあります)
②イシュー・ツリーの構築
仮説を検証するための、イシュー・ツリーを構築します。「仮説が正しいかどうか」を判定するための論点をMECEに設定し、構造化したものがイシュー・ツリーです。
大事な点は、書籍でも触れられていますが、仮説を検証するためにイシュー・ツリーがあることです。
仮説もないのに、いきなりイシュー・ツリーを構築することは誤ったアプローチです。
③ドリルダウン分析
ドリルダウン分析はイシューツリーの各ブランチの真偽を検証していくことで、初期に設定した仮説の検証することです。
ドリルダウン分析はコンサルティングワークの基本動作となるので(特に若手)、よく理解してください。
④統合的コミュニケーション
統合とはケース面接内での仮説の設定から検証の結果を面接官に効果的に伝えるためのコミュニケーションのルールです。
これは、そのままクライアントワークにおいて、調査・分析の結果を効果的にクライアントに伝える方法になります。
ビクター・チェンが述べる統合的コミュニケーションというのは、「結論→理由(3つ程度)→再度、結論」の順番で説明することです。
言われると簡単そうですが、緊張している面接の場で複雑なディスカッションの内容を要約し、統合的コミュニケーションのルールに則った行動を行うには、事前の練習が必要です。
ケース面接の練習をする際は、必ず最後の統合的コミュニケーションの部分までやることお勧めします。
メンタル面の重要性
また、この書籍では、ケース面接において”自信”が面接官に伝わる重要性を説いています。
それは、ケース面接で落ち着いて質の高いアウトプットを作る為だけでなく、面接官に好印象を与えるためです。
そして、”自信”を持ってコミュニケーションを出すことの重要性も、ケース面接がクライアントワークでのシミレーションであるが故です。
以上、ケース面接対策で最もおススメするビクター・チェンの書籍の紹介でした。
また、この書籍の英語版は英語としての難易度も高くなく読みやすいため、ビジネス英語や英語でのケース面接の練習として活用することができます。
以下が、英語版です。
ケース面接対策の書籍の紹介は以下の記事にまとめています。
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