大前研一は知る人ぞ知るマッキンゼーのレジェンドです。
大前研一はマサチューセッツ工科大学で博士号を取得後、日立製作所に入社。原子炉設計技師として勤務後に、マッキンゼーに入社。マッキンゼーでは日本支社長として活躍。マッキンゼー退社後も、経営コンサルタントや教育者として活躍
大前氏は著書をたくさん出していますが、マッキンゼーでの駆け出しの頃の様子が伺いしれる内容はあまり多くありません。
今回、大前氏がマッキンゼー就職直後に、どのように業務にキャッチアップをしていったのかが分かる冊子を見つけたので共有します。
大前氏がマッキンゼーの業務にキャッチアップしていたった内容は、コンサルティングファーム志望者のケース面接対策においても非常に役に立つと思うからです。
冊子について
こちらがその冊子です。
この冊子は大前氏が運営するビジネスブレイクスルー大学というビジネススクールの宣伝の一環として作られたものの様です。
冊子では、問題解決力がビジネスパーソンにとっての唯一最大の武器であるとし、問題解決力の定義と身につける方法が解説されています。
ケース面接対策への示唆
少し長いですが、書籍の中からケース面接対策に参考にできる箇所を引用します。
経営に関してずぶの素人だった大前氏が、経営コンサルティングの仕事にキャッチアップしていった際の描写です。
また、毎朝の通勤電車の中では団時間で問題を分析して解決策を提案する練習をしました。
電車に乗って最初に見た広告でその日のテーマを決め、横浜駅から東京駅までの28分間に窓を眺めながら問題を解決する方法を考えるのです。
たとえば、その日最初に見た広告がケチャップの広告なら、自分がケチャップメーカーの社長から「もっと売れるようにしてほしい」と頼まれたと仮定します。
そして、あの宣伝の仕方で売れるだろうか、ケチャップとトマトジュースは同じ売り方でいいのだろうか、といった問題について東京駅に着くまでに頭の中で自分の意見をまとめるのです。
だんだん慣れてきたら、1日1テーマではなく、1駅ごとに別の広告に目をやって、次の駅に着くまでにその問題解決方法の組み立て、仮説、やらなくてはいけない分析などをすぐに頭の中で組み立てる練習をしました。
この練習を毎日、徹底的に行うことによって、1年で頭がパッパッと動くようになり、顧客が一言いえば、その解決策が瞬間的に頭の中で組み立てられるようになりました。
この移動中にケースの訓練を行うという方法は、ケース面接対策においても非常に有用だと考えます。
私もケース面接対策をしていた時は、よく歩きながら目についた光景からお題を考えて、ケース面接の訓練をしていました。
この移動しながらのケース面接が効果的な理由は3つあります。
①すき間時間でケース面接対策
忙しい社会人はなかなかまとまった時間をケース面接対策に割くことができません。
一方で、ケース面接を上手くこなせるようになるためには一定の時間が必要で、ビクター・チェンの書籍には、100時間の訓練が必要であると記載されています。
仮に帰宅後に毎日1時間、ケース面接対策の時間を確保したとしても、100日(約3か月)かかることになります。
転職活動で必要な準備はケース面接だけでなく、ビヘイビアー面接対策も必要なため、このスケジュー間ではテンポよく転職活動を進めるのは難しいでしょう。
一方、すき間時間であれば、通勤の電車の中や移動中にすぐに時間を捻出することが可能です。
これまで有効に使えてなかった時間を活用することで、転職活動を加速することができます。
②お題がランダムに決まる
大前氏はたまたま目についた広告や看板を元にケースのお題を考えていたと記載しています。
こちらもケース面接のお題として優れていると思います。
ケース面接はどれだけ対策しても、回答方法に戸惑うような問題が出題されます。
緊張している面接の場面では、落ち着いて考えれば大したことのない問題でも難しく感じることもあります。
常日頃から、ランダムにお題を考えて解く癖をつけることで、様々なケース面接のお題への対応力がつきます。
これは、ケース面接を突破するうえで、とても有効な方法になると思います。
③紙を使わない訓練
移動中にケース面接対策をするときの利点は紙を使わないことです。
紙にダンプアウトせずに思考することによって、脳のワーキングメモリが鍛えられます。
頭の中で、要素を構造化して整理し、情報を処理する速度が速くなります。
これはケース面接を含め、コンサルタントとして成果を出すうえで、非常に重要な能力です。
コンサルタントになると、クライアントから予期せぬ話題を振らせてディスカッションすることが多々あります。
以上、3点の理由から、移動中に頭の中でするケース面接対策は非常に効果的です。
大前研一氏の書籍でのケース面接対策
大前氏はたくさんの書籍を出版していますが、その中でも「もし、あなたが最高責任者だったら」シリーズは、ケース面接対策に最適です。
これは、実際に大前氏がその企業・団体のCEOになった場合に、どのような論点で課題を整理し、解決を試みるかが解説されています。
この書籍をいくつか読んでみることで、ビジネス環境の変化を捉えたうえで、コーポレートアジェンダをどのように設計するかを理解することができます。
以上、大前研一氏をテーマにケース面接対策について記載しました。
コンサルティングファームへの転職を検討されている方の参考になれば幸いです。
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