コンサルタントとして必要な想像力について

今回はコラム的な内容になります。

論理的思考力の限界について

コンサルタントとして活躍する際に、最も必要だとされるのは論理的思考力です。

これは、現在のコンサルティング業界で主流となっている、マッキンゼーが始めたファクトベースコンサルティングを行うにあたり、無くてはならないものです。

論理的な思考力があるからこそ、構築した仮説をブレイクダウンし、ファクトを基に提言を構築していくことが可能です。

これはコンサルタントとして、働くうえで身に着けるべき最低限の型のようなものです。

コンサルタントへの転職に関しても、この論理的思考力の素養がしっかり確認されます。

一方で、実際に現場でコンサルタントとして仕事を始めると、この論理的思考力だけではどうにもならないことが多いことに気づきます。

論理的思考力だけでは、自分のタスクをうまく回して業務時間内にアウトプットを完成させることもできなければ、クライアントに刺さるプレゼンテーションをすることも難しいのです。

論理的思考力だけで仕事が完結しない理由に関しては、以下の2つがあります。

①分からないことが多すぎる

コンサルタントに転職して、実際にプロジェクトを開始すると分からないことだらけで、分かっていることの方が少ないことに気づくでしょう。

会社のことが分からない、組織構成が分からない、商流が分からない、商品のコスト構造が分からない、競合の事業進捗が分からない・・・

業務知識もそうですが、例え対象領域に詳しかったとしてもコンサルティングプロジェクトは基本的には分からないことが多い状況で進めていくものです。

②人間の生業が対象

ケース面接とコンサルティングワークの一番の違いは、切実に誰かの問題を解決しなければならないこと、そして、その解決のためには多くの場合、人や組織の在りように深く切り込んでいく必要があります。

それは、明言はされないけどクライアントのカウンターパートは何を望んでいるのか?、何が障害となって自身の仕事が進まないと思っているのか?、プロジェクトチーム外のステークホルダーとの関係性は?、どのようなコミュニケーションで臨めば狙い通りの関係性が気づけるのか?

これは、人には必ずある欲求などのポジティブな感情と恐怖心などのネガティブな感情を理解する必要があるということです。

コンサルタントの仕事はある意味では、マーケティングリサーチをして、ファクトからインサイトを抽出して、課題解決のブループリントを描くというような思考力で片が付く部分もあります。

一方で、プロジェクトの中には、記載したような人間の心理的側面からの洞察をもとにプロジェクトを進める必要がある局面も必ずあります

コンサルタントに必要な想像力について

このような場面では、論理的思考力よりもむしろ造像力が必要になると考えます。

論理的思考力とは「ブロックがある際にそれを如何にうまく積むか?組み立てるか?」という話です。

一方で、前述した様に、コンサルティングワークでは、そもそもブロックが無い状態であることが多いのです。

そんなときには、想像力で持って、そのブロック(足りない情報)を補って、プロジェクトを進める必要があるのです。

この想像力の有無は、論理的思考力の有無とは少し別の能力です。

これはコンサルティングファームではカクカクシカジカしたタイプの人があまり受け入れられず、人当たりの良い人が好まれる理由でもあります。(新卒なでのアナリストは分析部隊的な側面がありますが)

終わり


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