第二新卒でコンサルタントへ転職する方法と対策

外資系を始めとするコンサルティングファームに第二新卒で転職を考える方が増えていると聞きます。

そのような方は新卒で就職した会社に物足りなさや違和感を感じる優秀な層であることが多いです。

コンサルティングファームにとって、基本的には柔軟かつバイタリティーのある若い人材(第二新卒)は非常にウェルカムです。

しかしながら、第二新卒ということは転職自体をしたことが無いでしょうし、不安な部分もあると思います。また、就職した会社をすぐに辞めてしまってもよいのだろうかという葛藤もあると思います。

今回は、第二新卒でのコンサルタントへの転職について記載します。
(基本的には、戦略コンサルタント・経営コンサルタントを想定して記載しています。)

なぜ、転職したくなるのか?

第二新卒での転職を考える人は多く2パターンに分かれると思います。

一つはネガティブな理由での転職。例えば、職場の人間関係が嫌、社風が合わない、労働環境がブラックでそこから抜け出したいといったもの。どちらかといえば、ネガティブな環境から逃げ出したいといったです。

もう一つのパターンは、どちらかと言えば、ポジティブな理由。よりチャレンジングな環境で仕事がしたい、スキルを身に着けてもっと社会の役に立ちたい・収入を上げたいといったもの。新卒でぬるい環境に入ってしまったから、もっとチャレンジングな環境に挑戦したいという人。

この2パターンのうち、おそらくコンサルタントへの転職を検討するのは、後者のタイプでしょう。

いくらマイルドになったとは言え、コンサルティングファームの労働環境は世間一般からいうと過酷ですし、人間関係に関しても当たりがきつい人は本当にきついです。


コンサルタントへの転職という選択肢

新卒の就活でのコンサルティングファームの人気がさらに上がっていると聞きます。

止まらない就活でのコンサル人気、学生が求めるのはスキルとモラトリアム

外資系のコンサルティングファームは世間の認知を得て以降、一貫して人気な職種でした。近年は銀行やメーカーなどの日系大手への信頼低下とリーマンショック以降の外資系投資銀行の人気低下により相対的な人気が上がったのでしょう。

このコンサルティングファーム人気は第二新卒に関しても同様です。もしかしたら、日系企業に入って失望を経験した第二新卒の方がより切実かもしれません。

単調な仕事と緩い職場環境。安く、上がらない賃金。日本企業が数千人規模のリストラを発表するなかで、転職も難しそうなオーバー40の上司・先輩

では、そのような若手ビジネスパーソンにとって、コンサルティングファームの転職はキャリアの打開策となりうるのでしょうか?

コンサルタントの仕事は一定の特殊性があるので、誰でもフィットするというものでもありません。(フィットする人の条件については後述します。)

しかしながら、ポテンシャルやモチベーションがありながら、緩い日系企業に入って後悔している若手はコンサルティングファームに転職することで多くの問題を解決できる可能性があります。

スキルが身につく

まず、コンサルティングファームに転職すると、入社すると高いレベルのビジネススキルが身につきます

コンサルティングファームに入社した若手が専門性を身に着けることはありませんが、ビジネススキルに関しては同年代と比べて高いものを身に着けることができます。

このビジネススキルというのは、単純な作業系のスキルからビジネスの進め方や頭の使い方に至るまで汎用的なスキルです。

作業系のスキルは、マイクロソフトのエクセルやパワーポイントの使い方で、コンサルタントは日常的に大量に使用し、なおかつ、時間制限が厳しい中で仕事をするので、質と速度ともにスキルが向上します。

ビジネスの進め方は、所謂経営コンサルティングファームでのスタンダードな仕事の仕方で、仮説を構築し、仮説を立証できる論点をMECEに設計、必要な要素をリサーチによって潰していく、という仕事の進め方です。

コンサルティングファーム外でも、少数でしょうが、会社員で仕事のできる方は大なり小なりこの手の仕事の進め方をしていることと思います。コンサルティングファームに入社することで、配属リスクなく、この仮説ベースの仕事の進め方を上司・先輩から身に着けることができます

この仕事の進め方は、コンサルティングファームを辞めた後も、非常に活きていく部分で、自分が見ず知らずの領域の仕事でもなんとかできるのではないかと自信を持つことができます。

また、コンサルティングファームでは、若い時から自分よりはるかに年上のクライアントメンバーとやり取るすることになるので、ビジネスマナーも各段に身につきやすい環境にあります。

企業に頼ることなく生きていく

第二新卒で転職を考えている人の中には、所属する企業・業界、もしくは職種が将来食えなくなるのではないか?という思いから転職を検討することになった人も多いと思います。

就活生に人気のあったメガバンクは今後確実に従業員数を減らしていくだろうし、日系メーカーもコスト高で付加価値の低い社員(部署)はどんどんリストラし、若く優秀なエンジニアやデータサイエンティストにのみ高級を払っていくようになると思います。この変化は、グローバルな産業構造の変化に起因するものであり、不可逆的です。

その様な状況で、自分の身は自分で守りたいと考えるに至ることは、至極当然であり、すばらしいことだと思います。

コンサルティングファームに若くして転職すると、一つの企業に依存しない流動的な生き方をすることが可能です。

それは、一つにはコンサルティング業界自体が流動性が高く、同業他社への転職が容易であるからです。アセットや人脈への依存が少ない、コンサルタントは企業の垣根を飛び越えて活躍することができます。

そして、コンサルティングファーム出身者が比較的容易に転職が可能なのは前述したコンサルティングスキルによって、未経験の状態でも成果を出すことが可能だからです。

したがって、若いコンサルタントは転職市場で事業会社、ファンド、マーケティング・事業開発系の職種等に幅広く応募することが可能です。

さすがに、40歳前後になってもどこの業界にでも転職できる、というわけではありませんが、若いうちは確実に様々なオプションが取れるので、コンサルタントは会社に依存せずに生きることが可能です。

また、最近は独立したコンサルタント向けの案件マッチングサイト等も乱立している状況なので、コンサルタントが独立する敷居も下がってきています。私の知り合いでも大手コンサルティングファームを辞めて独立して食べていっている人が数名います。

人間関係に煩わされることが少なくなる

日系企業に勤めている若手社員の方の中には、上司や先輩などと合わないと考える人も多いかと思います。

組織変更が多いネットベンチャーと違い、日系企業であれば配属後にチームや組織が変わることは数年単位であるか無いかだと思います。

この点もコンサルティングワークは特殊で、数か月単位でチームや上司が変わります。

また、ある程度の実力が付くと、ファームのアサインに関して影響力を持つことができるので、自分である程度、アサインをコントロールすることができるようになります。(もちろん、ファームや状況に寄るところが多いと思いますが)

日系企業からであれば給与も上がる

伝統的な日系企業は給与が低いことが多いです。

例えば、三菱東京UFJの初任給は学卒で20.5万円/月、日立製作所は21.15万円/月、トヨタ自動車は20.8万円/月です。

一方、戦略や経営コンサルタントの第二新卒であれば、少なくても年収500万円。ファームによりますが、700万円くらいまでのオファーが出ると思います。

若い時にお金があるのは素晴らしいことなので、現職の給与に不満がある方は転職の検討をすることをお勧めします。自己投資や趣味への投資をすることで世界が広がります

コンサルタントに転職して失敗する人

前述した様にコンサルタントは一定、特殊な職業のため、フィットしない人もいると思います。

そして、往々にしてあまりにも適性が無いにも関わらず、コンサルティングファームに転職すると地獄を見ることになります。

なぜ、地獄になるのか?

コンサルティングファームのワークのスピードが速すぎる為、ゆっくりとキャッチアップすることが許されないことが一つ目の理由です。

もう一つは、コンサルティングファームには通常、コンサルティング職しかないため、コンサルタントとしての適性が無くても在職する限り、コンサルタントとして働かざるを得ないからです。

事業会社であれば、営業に適性が無ければ企画職にと、適性に合わせて職種を用意することが可能です。一方で、コンサルティングファームではそれができません。

したがって、辞めると言い出すまでは、精神的、肉体的にものすごく辛い環境でもコンサルタント職を続けるしかないのです。

前職での定型業務に慣れすぎた

私が見てきた中で、最も入社後に苦労しているパターンはこのパターンです。

そもそも職歴が短い第二新卒には当てはまらないかもしれませんが、前職であまり頭を使ったり、複雑なコミュニケーションをする必要が無い仕事をしてきた方は、コンサルタントとして働き始めるととても苦労します

人間は慣れの生き物なので、コンサルタントとして転職したからと言って、すぐにギアを入れ替えることはできません。

私は新卒でメガベンチャーの企画職をしていたため、比較的、自分で考えて業務を回すことが多かったので、そこまで苦労しませんでした。

しかし、日系の金融系企業やメーカーなどで働いていた人の話を聞くと、派遣社員の方がやるような仕事を正社員としてもくもくとこなして来たという方もいます。

このような方は転職して大変苦労することになるので、少しでも若いうちに転職するか、もし自分がそうなっているという自覚がある場合は手を挙げて難易度の高い業務をやらせてもらうことをお勧めします。

主体的に行動、関係構築ができない

コンサルティングファームの仕事は主体的に動いていかないとなんとも進まないものです。それは同僚・上司に対しても、クライアントに対しても、その他のステークホルダーに対してもそうです。

すごくタイトなスケジュールで必要なタスクを終わらせていくためには、手抜かりなく必要なタイミングで、必要な人に働きかけて巻き込んでいく必要があります。躊躇や遠慮をしている暇は一切ありません。

営業などをしていた人は問題ないかもしれませんが、スモールチームで長期間仕事をしてきた人などの”外部の人”と接する経験が少ない人は、少しこの巻き込みが苦手な傾向にあるようです。

コンサルタントになると周囲からの激しいプレッシャーで主体的に行動せざるを得ない状況になります。したがって、そこまで気にする必要はないかもしれませんが、転職する際は、留意しておくと良いでしょう。

フィードバックをすぐに反映できない

以前働いていたファームの中途入社者で、試用期間中にクビになった2名のクリティカルな原因がこのフィードバックを即座に反映できない(反映しようとする意志を感じずらい)というものでした。

コンサルティングの仕事は、ある意味では型(お作法)に従って進める仕事です。最初にこの型を知らずに、できないことがある分には問題ありません。

しかしながら、一度指摘されたことを改善できないとなると話は変わります。

コンサルタントが1時間稼働するに当たり、顧客に請求される金額は役職ごとに決まっており、それは大概とても高いです。ファームによって異なりますが、若手でも2~5万円/時間くらいします。

皆が高いコンサルフィーに見合うように必死に各自のロールをこなしている中で、いつまでたっても独り立ちできない人がいると厳しいわけです。

また、コンサルティングワークは単純なタスクが少なく、ちょっとしたリサーチでも自分で論点を意識してクイックに調査内容や手法を修正しないといけないので、あまりに低スキルだと任せられる仕事がなくチームで浮いてしまいます。

そういったことからも、受けたフィードバックはきっちり反映してデイリーで、もしくは、半日単位でクイックに自分の行動を修正していく必要があります。

第二新卒での求人や採用基準

不景気の時を除き、基本的にコンサファームは通年で、人数の定めなく採用活動を行っています。

事業会社であれば、ポジションごとに必要な人数(1~3名等)が明確に決まっており、内定者がその人数に達した時点で募集が締め切られます。

一方、コンサルティングファームは、プロジェクト単位で組織を拡大することが可能であることと、採用基準が厳格で内定者が少ないことから、通年で転職希望者の応募を受け付けています。

第二新卒に関しても、同様で、特に時期を定めずに募集がされています。実際の応募に関しては、後述するエージェントを通して行うのがスムーズだと思います。

以下、いくつかの企業の募集状況をピックアップしてご紹介します。

Mckinsey

  • マッキンゼーでは、実務経験2年未満の方はビジネスアナリストとしての入社になります。
  • 新卒は3年目にアソシエイトに昇格します。
  • 募集要項に 「現・前職務において、求められる成果を達成し、高い評価を得ていること(職務経験のある方のみ)」と明記されています。
  • マッキンゼーでは、面接で必ずリーダーシップ経験のエピソードが問われ、計5個くらいのエピソードを用意する必要があります。(詳しくはリンク先を参照)
  • 第二新卒は職務期間が短くて難しいかもしれませんが、リーダーシップエピソードのうち、1~2個くらいは現職での話を盛り込めると良いと思います。

Deloitte

  • Deloitte(デロイト・トーマツ・コンサルティング)はPool採用という形で通年で第二新卒を募集しています。
  • Deloitteはインダストリー(自動車、TMT等)とケイパビリティ(Strategy、M&A、マーケティング等)の組織に分かれる、所謂マトリックス型の組織です。
  • 通常、コンサルタント以上の役職の方は、どこか特定組織でその領域の専門性を身に着けることになります。しかし、新卒や第二新卒の様はPoolと呼ばれる組織に配属され、全ての部署にアサインされる可能性があります。
  • どの組織の案件にもアサインされる可能性があるため、あまり専門性を決めたくない人に向いています。もちろん配属リスクはありますが、Deloitteはファーム内の移動もある程度しやすい環境であると聞いています。

第二新卒での転職活動の進め方

第二新卒の転職の進め方のステップは、大きく分けて2つあります。

1つ目は転職エージェントに登録して、色々なエージェントに話を聞くことです。

2つ目がケース面接を含めたコンサルティングファームの選考対策を行うことです。

転職エージェントに転職する

第二新卒の方は大方、転職活動をすることが初めてだと思います。

新卒での就職活動と中途での転職活動の一番の違いは、エージェントを使うかどうかです。

結論から言うと、第二新卒を含む中途の転職活動では転職エージェントを絶対使ったほうが良いです。

理由としては3つあります。一つ目は、転職エージェントは様々なビジネスパーソンの転職支援の経験があるので、転職対策やキャリアプランの相談をすることができます。

二つ目の理由は、日程調整や企業への連絡を代行してくれるので、非常に効率的に転職活動を進めることができます。優秀なエージェントは、現業への負担が少なくなるように、採用企業とコミュニケーションを取って日程を調整してもらうことができます。

三つ目の理由は、精神的なサポートです。人によっては新卒での就活時代に経験したかもしれませんが、職探しがうまくいかず、来る日も来る日もお祈りメールをもらうというのは精神的にきつくなることがあります。転職エージェントは色々な状況の人をサポートしてきた経験があるので、きつい状況の時の精神的なサポートを期待することができます。

以上、3つの理由から第二新卒での転職活動では転職エージェントを活用することをお勧めします。

ただし、転職エージェントといってもレベル感や自分自身の性格とのフィット感は大きく異なります。ぜひ、たくさんのエージェントと会って、信頼できるエージェントを見つけることをお勧めします。(コンサルティングファームの様な大手企業であれば、どこのエージェントでも求人を紹介してくれると思います。)

コンサルティングファームの選考対策

第二新卒での転職対策は基本的には、よりシニアな層を含めた中途採用の対策を変わりはありません。

中途転職者向けのコンサルティングファームの転職対策の進め方は以下にまとめています。

Webテスト対策

エージェントに職務経歴書を送付した後は、まずWebテストを受けます。DIやADLなど一部、Webテストが無い企業がありますが、基本的にはWebテストの受験が必要です。(Webテストが無い企業の方が学歴フィルターがきつい印象があります。)

各ファームのWebテストの情報は以下に記載しています。

ビヘイビアー対策

Webテストに合格した場合は、晴れて面接に呼ばれます。面接では、志望動機やリーダーシップ経験などのビヘイビアー系の質問とケース面接に対応する必要があります。

戦略ファームは経営コンサルタントポジションでの採用の場合は、第二新卒でも基本的にケースがあります。

ビヘイビアー系の質問のリストは以下にまとめています。

第二新卒の場合は、特に「なぜ、新卒で在職企業に就職したのか?」「なぜ、入社早々辞めようと考えているのか?」「その離職理由で、なぜコンサルタントとして働くことが妥当なのか?」を面接官に納得してもらう必要があります

ケース面接対策

ケース面接対策の進め方は以下を参考にしてください。

以上、第二新卒でのコンサルティングファームへの転職について記載しました。

その後また転職することになるにせよ、若いうちにコンサルタントとして働くことは素晴らしい経験になると思います。

あまり難しく考えず、まずは、コンサルティングファームで働く友人や転職エージェントとアポイントを取って話を聞いてみることをおすすめします。

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