ビジネスDDの進め

今回は、コンサルタントになった方に向けたエントリーです

ビジネスコンサルティングのメニューの中に、ビジネス・デューデリジェンス(以下、ビジネスDD)というものがあります

これは、事業会社やファンドなどが、企業買収する際に、その対象企業の事業モデルの堅牢性や将来の収益性を診断し、最終的には5年程度の事業計画予測を作成するものです

ご存じの方も多いですが、ビジネスDDは激務なことで有名で、ビジネスDDにアサインされるとワークライフバランスが崩壊することが多いので、あまりやりたがらない人もいます

これは、ビジネスDDは買い手側が買収の独占交渉権を得ている期間に行われる為、その期間内に買収実施有無の答えを出さなければいけないからです

私自身もビジネスDDのプロジェクトで土日を含めて、2~3週間タクシー帰りでぶっ通しで仕事をしたことがあります

そんな、ビジネスDDですが、私はコンサルタントの方は機会があれば、是非やってみて頂きたいと考えています

論点ベースでのプロジェクト進行

ビジネスDDの問いは、買収するに対して、YesかNoかを答えることです

このYes/Noの判断は明確にロジックツリーで論点構造を分解することができます

例えば、買収する場合は、⓵対象会社のビジネスが独自の強みを有しており、②その強みが今後も維持される、③従って、今後も買収金額に見合う収益性の維持が期待できる、ことが証明されれば良いのです

上記、3つの論点はさらに、サブ論点にブレークダウンされます。(例えば、⓵の対象会社の独自の強みは、さらに、バリューチェーンごとに分解する等)

対して、例えば、新規事業の検討などは、魅力的なアイデアをひねり出さないといけない部分もあり、ビジネスDDほどシンプルに論点ベースで進めることができないイメージがあります

従って、特にコンサルタントの初期に、ビジネスDDを経験して、論点ベースでのプロジェクト進行を学ぶことは非常に有益かと思います

全てが数字に落ちる

これも似たような話ですが、ビジネスDDの結果は、最終的には対象会社の収支計画の作成に集約します

例えば、対象会社のビジネスの堅牢性は低く、今後は競合とのシェア争いに巻き込まれると判断する場合は、市場規模に対するシェア減により、売上・利益ともに減少していく収支計画を立てます

従って、議論の着地点は必ず、収益構造に落ちることになります

収益構造は、収益=売上ーコスト、売上=市場規模×シェア、市場規模=対象顧客×高倍率×顧客単価・・・という様に、ケース面接でも練習した内容そのままであり、初心者にとっても考えやすいと思います

成果が見えやすい

ディールがブレイクした場合はどうしようもありませんが、一般的にビジネスDDは買収という成果が直後に訪れるために、コンサルタントとしての成果が目に見えやすいです

一方で、中期経営計画や新規事業計画であれば、目に見える成果が出るまで時間がかかる、もしくは、自分達が考えた結果が最終的にどうなったのか分からないということが良くあります

そういう点では、ビジネスDDはPJ終了の数週間後にディールに関する発表を日経新聞で見ることもあります

このようにすぐに目に見える結果が出ることから、ビジネスDDにやりがいを感じているコンサルタントの方もいらっしゃいます

以上、ビジネスDDの進めでした

特にコンサルタント初心者の方は、機会があればハードワークに委縮することなく、挑戦して頂けると良いのではないかと思います

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