ケース面接に役立つ内容だけでなく、コンサルティングの歴史を踏まえた今後の動向を考える際に一助となる名和高司氏の『コンサルを超える価値創造の全技法』を紹介します。
コンサルティングファームを受けるにあたり、コンサルティング業務内容や業界の課題意識を理解したい人におススメです。
また、コンサルティングに限らず、変化する次世代でどうやって自身のバリューを発揮していくかを考えさせられ、また、励まされる意識高い1冊でもあります。
著者について
著者は名和高司氏はマッキンゼーのディレクターとして20年間の勤務後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でシニア・アドバイザーを務めた人物です。現在は、一橋大学のMBAで教授を勤めています。
著書の中でも、マッキンゼーとボストン・コンサルティング・グループのコンサルティングワークのスタイルの違いが随所で説明されています。
名和氏は、近年、著作をたくさん出版しており、コンサル未経験者にとっても読みやすく面白いものが多くお勧めです。
コンサルティングの技術
書籍の前半ではコンサルティングの技術について総括的に紹介されています。
仮説思考、イシュー設定とイシュー・ツリー、MECE、フレーム分析(PEST、SWOT、3C、5Force)、バリューチェーンやアンゾフのマトリックス
また、大前研一氏のマッキンゼー時代のすごみがエピソードとともに具体的に描写されています。
この大前氏のエピソード、実際コンサルティングの現場でやるとしたら相当胆力が求められるものが多々あり、やはりグローバルでトップレベルのコンサルタントのレベル感が垣間見れます
コンサルティングを超える技術
後半ではコンサルタントの採用条件や、良いコンサルになる条件などが説明されています。
これらはコンサルティングファームへの転職活動においても参考になります。
そして、書籍の後半を通して語られるテーマは、コンサルタントは今後どうすきか?です。
情報社会化とコンサルティングノウハウの普及により、コンサルティングファームとクライアント企業との間の情報、能力格差が縮まっていること。
そして、デジタル化により、「正しいことを予測する」重要性よりも、リーンに行動しながら「正解を作り出す」ことの重要性が上がっていること。
これら背景の中で、各コンサルタントはどのように自分のバリューを定義し、技を磨き、クライアントワークをしていくのか?
実際に、コンサルティングファームでもディスカッションされている内容で、私も先輩とよくディスカッションしていました。
書籍に紹介されている、”見る前に飛べ”は現代の行動原則を表す象徴的な言葉だと思います。
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