コンサルタントへの転職でエージェントを使うべき理由3つ【転職活動者向け】

コンサルティングファームへの転職活動でエージェントを活用するのは必須です。(エージェントの活用はコンサルティングファームに限らず有効です。)

たまに自由応募で企業のHP等から直接応募する方がいますが、新卒やMBA卒ではなく働きながら転職活動する場合はエージェントを活用したほうが良いです。

私自身もコンサルティングファームへの転職を2回行っており、2回ともエージェントを活用しました。2回の転職で異なるエージェントにお願いしたのですが、エージェントの質が上がった2回目の転職は1度目の転職より満足感が高かったです。

転職エージェントを活用するメリットは?

なぜ、コンサルティングファームへの転職でエージェントの活用が有効なのでしょうか。エージェントを活用するメリットは大きく分けて3つあります。

1、情報収集機能

転職エージェントとコンタクトを取ることで、企業情報や選考情報を容易に取得することができます。

歴の長いエージェントは、各企業の選考情報(面接でどのようなことを聞かれるか、どのような候補者が内定となるか等)を蓄積しています。また、自分の応募先企業で既に働いており別企業へ転職しようとしている人や支援した転職した人から応募先企業の内部情報を収集しています。

これらの情報を活用することで転職活動をスムーズに進めることができます。また、実際に内定した後に、転職するかどうかを検討する際も、企業の労働環境や雰囲気など内部情報を教えてもらったり、長期的なキャリアからどうすべきかを相談することができます。

情報の非対称性がある転職活動では、なかなか意思決定しづらい部分もありますが、エージェントに相談することで不足する情報を補うことができます。

2、スケジュール調整機能

エージェントは日程調整をしてくれます。これは、単純にこちらのスケジュールを聞いて、受験企業と調整するということだけではありません。

転職活動では複数の企業を受けることになりますが、各企業の進捗を見て、ペース配分をしてくれます。

例えば、4次面接まであり内定が出た後は3日程度しか待ってくれない企業や、逆に2次面接で終わって内定後も2週間程度の承諾検討期間を引き延ばせる企業があります。このようなペースが全く違う企業の面接進捗をコントロールして、内定承諾検討期間が内定が出た企業でできるだけ被る様に調整し、”他の選考が終わっていないため先に受けた企業の内定を辞退する”羽目になる、ということを防いでくれます。

また、企業によっては、1次面接など面接の初期の評価が良いと企業側から候補者の面接日程の調整を催促されることがあります。このような時も、他の企業とペース感があっていない場合は「今は、業務が忙しい」等の理由をつけて、面接日程の調整を引き延ばしてくれることもあります。

そして、このような日程調整の駆け引きがどれくらい行えそうかを、企業側の人事担当者の温度感やこれまでの経験からサジェストしてくれます。

このようなやや高度な調整は、候補者自身が直接応募しても、なかなか一朝一夕にまねできるものではなく、プロの仕事であると言えます。

3、交渉機能

良いエージェントは年収交渉をしてくれます。私はあまり年収交渉をしたことはありませんが、年収交渉は転職活動において重要な要素です。

ベンチャーで働く知人に聞いた話では、同じ会社、同じ役職、同じような能力の従業員でも、あるエージェントA社経由で入社した社員は総じて年収が高く、別のエージェントB社経由で入社した社員は年収が低いそうです。彼曰く、この年収の差分はエージェントが給与交渉に積極的かどうかの違いだそうです。

高い年収オファーを勝ち取れるエージェントは、”高年収の事例”を作ることができるので、毎回、安定して高い年収のオファー交渉ができるようになるのでしょう。「前回の方はこれくらいの給与水準だったので、今回も…」という交渉ができるからです。

※コンサルタントは役職・ランクで給与がある程度決まっているため、過度な年収交渉は実力以上の職務で入社することになるためお勧めしません。高いレベルをいきなり求められて、ワークせずに潰れてしまい、早期退職する羽目になってしまいます。年収レンジの温度感もエージェントに合わせて相談すると良いと思います。

良質な転職エージェントとは?

次は良質な転職エージェントを見つける方法です。転職エージェントの質はピンキリです。

ただ候補者が受かりそうな求人を紹介しマッチポンプで案件の成約のみを目指す程度の低いエージェントもいれば、当人のキャリアや労働市場の情勢を適切に鑑みてアドバイス、求人紹介をしてくれるエージェントもいます。

私が考える良い転職エージェントの要件は以下の3点です。これはコンサルティングファームへの転職に限らず、良いエージェントの条件です。

1、転職エージェントの歴が長く、経験が豊富 

最も重要なのが、転職エージェントとしての経験の量です。これまで数々の転職者の支援をしてきたからこそ、どのような候補者が内定を取れるか?、どのような対策をすべきか?、対象企業に入社した場合にどのようなキャリアオポチュニティがあるかを語ることができます。

逆に、エージェントになって数年であれば、そこまで詳しい情報は持ち合わせていないでしょう。

もちろん、エージェントは各々に強みとする領域(金融に強い、ベンチャーに強い、CxOに強い等)があるので、単純なエージェント歴だけでなく、その領域での経験が長い人が適切です。

②こちらの要望を理解し、それに沿って対応してくれる意向が強い

こちらのキャリアプランや意向などの話をきちんと聞いてくれるか?理解してくれているか?も重要です。少しでも押し付けがましい感じを受けるエージェントは避けましょう

もちろん、バックグラウンドから候補者がまず内定することは無い、もしくは、まだコミュニケーションが十分に取れていないので、幅広に求人を紹介してみるというケースもあると思うので、その辺りの事情も鑑みて、エージェントの人となりを判断してください。

③交渉する力が強い

先ほど、日程や年収の調整機能がエージェント活用のメリットであると述べました。これは、すなわち、「交渉力のあるエージェントを選ぶべきである」ことを意味します。

エージェントの交渉力は、そのエージェント個人の経験や能力から来る交渉力と、そのエージェントが所属する企業の交渉力に分解されます。

エージェントに経験があり、どれくらいの交渉であれば企業側に不快感を与えないのかの勘所が分かっていたり、昔その企業で働いていてツーカーの関係を気づいている場合(リクルート出身者が多い)が個人の交渉力です。

採用側の企業にとっても、年間何人も中途入社者を送り込んでくれる大手エージェント企業の頼みは無碍に断りづらいということもあります。このような企業が持つ交渉力も少し意識しておきましょう。(個人の交渉力のほうがより重要ではあります)

良いエージェントの探し方は?

最後に良いエージェントの探し方についてです。

これは、一言で答えを言うと、「とにかく行動する」しかありません。いろいろなエージェントにとりあえず会ってみるということです。

ステップで言うと、①とりあえずいろいろなエージェント企業に登録する②気になるエージェント(転職紹介企業)から順番に面会を申し込む③前述の良いエージェントの条件に合い、信頼できそうな人を見つける、という順番です。

色んなエージェントに会うと、紹介される求人や対応が人それぞれ違うことが分かります。転職やキャリアにおいて絶対的な成功はなく、様々な考え方が許容されるものだと思います。

その1つ1つの視点を得るという意味でも、様々なエージェントと話をすることには意味があります。

あまり緊張せず、また億劫に考えず、色々な人と話してみることをお勧めします。


以上、コンサルティングファームへの転職において、エージェントを活用する意義と方法についてご説明しました。

コンサルティングファームへの転職の全体像はこちらにまとめています。エージェントを見つけた後のステップとして参考にしてください。

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