コンサルティングファームへの転職対策の進め方

コンサルティングファームに中途で転職する際の対策・準備の進め方を記載します。転職活動の準備としては、記載されている内容の中から優先順位をつけて実行していくことになります。

忙しい社会人は転職準備の全体像を把握し、どこにどれだけ時間をかけるのかを早めに見極める必要があります。

転職活動のステップ

コンサルティング業界以外の転職活動は、企業のことを調べて、面接を受ければ比較的短期間に終わります。一方で、コンサルティング業界の転職活動は長期化しがちです。その理由は、①対策が必要なケース面接があること、②他の志望者(ライバル)が入念に準備していることが多いためです。

したがって、他業界の転職活動と比べて、準備が必要なタスクが多くなります。

コンサルティングファームの転職準備のステップは、以下になります。

  1. 転職エージェントを決める
  2. 受ける会社とスケジュールを決める
  3. 業界、及びファームの理解を深める
  4. テスト対策
  5. ビヘイビアー面接の準備
  6. ケース面接対策
  7. 必要書類の準備

①転職エージェントを決める

コンサルティングファームの選考を受けるにあたり、まずはエージェントを決める必要があります。たまに、エージェントを使わずに、自由応募(企業のHPからの応募)をする人がいますが、エージェントの利用は必須です。

転職エージェントを活用するメリットは、①情報収集ができる、②スケジュールを調整してもらえる、③色々な場面で交渉してくれる、が挙げられます。

候補者側は基本的にエージェントにお金を支払う必要がないので、利用することをお勧めします。(オファー年収の20~30%を、転職成功時に採用企業がエージェントに支払い、それがエージェントの報酬になります)

私も受験企業の進捗スピードを揃えるために数か月間面接をペンディングしたり、オファー承諾期間を延ばす交渉をしてもらったり、エージェントの方にはいろいろお世話になりました。

エージェントの活用メリットとエージェントの探し方に関して、こちらでまとめています。

②受ける会社とスケジュールを決める

転職エージェントを決めた後は、エージェントと一緒に受験企業とスケジュールを設定します。

ここでの注意点は、転職活動は長期間を見込む必要があると言うことです。1企業を受けるのに、書類の提出から書類選考通過まで(1~2週間)Webテストの受験から結果連絡まで(1週間)面接の調整から受験と結果連絡までが(各2~3週間×3回程度)と、スムーズに行って1か月半以上かかります。

さらに、中途採用面接であれば、自身の仕事のスケジュールと企業の予定がすんなり合わない場合も多くあります。急遽、夜にMTGが入って、面接に行けなくなり、再調整してもらう必要が出てくる方もいると思います。

そこで、準備の期間と面接を受ける期間を余裕をもって設定し、どれくらいに転職先を決めることをゴールにするか目算を立てます。

③業界、及びファームの調査

スケジュールが決まったら、具体的に面接対策を進めていきます。この後の、③業界/企業調査、④テスト対策、⑤ビヘイビアー対策、⑥ケース対策、⑦必要書類の準備は並行して進めていきます

まずは、志望動機の作成やアピールすべきポイントを理解するためにも、コンサルティング業界や各ファームの特徴、コンサルティングワークについて理解します。

コンサルティングファームで務める知人がいれば、知人に聞くのが一番です。いない場合は、書籍やネット上の情報を集めます。

④テスト対策

戦略コンサルタントは高い情報処理能力を必要とされる仕事のため、選考の過程で筆記/Webテストを要求する企業が多くあります。

スペックが高いライバルが多い業界のため、苦手な人は重点的に、そうでない人も参考書を1回やる程度は対策をすることをお勧めします。

受験企業のテスト対策は以下を参考にしてください。

⑤ビヘイビアーの準備

ビヘイビアー面接とは、志望者の過去の経験や仕事に対する姿勢を問う質問を通して、志望者の入社後のパフォーマンスを予想する面接方法です。

コンサルタントはプロフェッショナルとして、ハードワークや自律性、協調性が求められる仕事なので、ケース面接だけでなくビヘイビアー面接も重視されます。

自分の過去の経験をすんなり答え、かつ適切にアピールするのは以外と難しいので、ビヘイビアーに関しても十分な対策をしておく必要があります。

ビヘイビアー面接で重要視されるポイントやどのような質問がなされるかは以下にまとめました。

⑥ケース面接対策

戦略コンサルティングファームの面接では、候補者のコンサルティング業務へのフィットを確認するため、ケース面接が必ず行われます

ケース面接にどれくらい上手く対応できれば選考を通過するかは、候補者の過去の職歴/学生、年齢によって異なりますが、いずれにしろ卒なくこなせるように訓練するに越したことはありません。

ケース面接の対策の進め方は以下にまとめています。

⑦必要書類の準備

最後に受験にあたり必要書類の準備をします。

一般的な転職活動でマストで必要なのは、履歴書職務経歴書です。これらはコンサルティングファームへの応募でも必要とされます。また、マッキンゼーのみ、英語でのレジュメの提出が求められるので、英語のレジュメを用意しておく必要があります。

また、コンサルティングファームへの転職では、志望動機書という転職動機をA41枚程度にまとめた書類の提出を求められることが多くあります。これは業界理解自己PRが見られています。よくあるNGケースとしては、自身のストーリーとは何の関係もなく、突然「日本を良くしたい」というあいまいな決意を表明するケースです。

これら書類に関しては、転職エージェントにフィードバックをもらいながら、まとめていくことをお勧めします。


以上がコンサルティングファームへの転職に必要な準備です。志望者のレベルが高いコンサルティングファームの転職活動では、それぞれを高いレベルでこなす必要があります。

忙しい社会人が中途採用で転職する場合は、必要な対策の全体感とスケジュールを意識して進める必要があります。

コメント